「監察医 朝顔2」を見逃し配信でフル動画を無料視聴する方法！コロナ延期と開始日情報も！1話〜全話のネタバレ・感想

早朝、野球のユニホームを着た男子中学生の遺体が、高い金網のネット脇の空き地で発見されました。

朝顔（上野樹里）は興雲大学法医学教室からの電話で起こされます。

平（時任三郎）にも野毛山署から連絡が入り、2人は相次いで出勤しました。

ユニホームのイニシャルから倒れていた被害者は矢野諒（池田優斗）と推定されます。

遺体のすぐ横にはグローブが残され、ネットの上部にはボールが挟まっていました。

発見者は朝の散歩をしていた近隣住民で、諒の遺体の胸には、皮下出血がみられます。

鑑識の推定では死亡時刻は早朝5時から6時です。

興雲大学法医学教室では、持ち込まれた諒の遺体は朝顔と藤堂（板尾創路）らによって解剖されました。

諒は、胸の内出血と手のひらにある擦り傷以外には外傷はありません。

諒が胸に強い衝撃を受けて心臓が停止したことは解剖後のミーティングで藤堂が説明したのですが、検視官の丸屋（杉本哲太）はそれが胸を誰かに殴られたことによって起こった事なのかどうかを判定して欲しいと食い下がります。

その時、立ち会っていた野毛山署の強行犯係長・山倉（戸次重幸）の元へ、諒の父親が階段から落ちて意識不明状態になったとの知らせが入りました。

諒の母親はすでに亡くなっていて、諒の身元確認には祖母の咲江（柳谷ユカ）と、双子の兄・一馬（池田優斗）が立ち会うとこになったのです。

しかし、一馬は諒の遺体に対面しようとはしません。

そんな一馬の様子に、朝顔は疑問を持ち始めます。

一方、法医学教室では“亡くなったのは本当に諒だったのか？”という疑問をみんなで議論していました。

諒と一馬は一卵性双生児で、入れ違っても見分けが付かないというのです。

しかし、

DNA鑑定でも一卵性双生児はひとつの受精卵が分裂して生まれ出たので判別できません。

指紋も同じものを触って生活しているため混在していて採用できず、歯科治療痕も無く、網膜（虹彩）判定も個々のデータがないと使えません。

2人を区別できるはずの父親は意識不明状態で、祖母は老いていて目が悪いので無理。

その頃、諒と一馬の通う中学校の野球部の顧問をする教師の三輪孝之（金ちゃん）が、野毛山署で事情を聴かれていました。

凶器と推定されている金属バットを管理していたのが三輪だったからです。

しかし、三輪は何故か？事情聴取に一切答えようとせず、黙秘を続けていました。

しかしそんな折、もう警察に出頭した一馬が、「（諒を）殺したのは僕です」と自供しに来たのです。

そして、ケースに入った金属バットを山倉に差し出しました。

祖母の咲江から話を聞こうと諒の家に行った平は、壁に貼られていた諒と一馬が描いた2枚の絵を借りて法医学教室に持ち込みました。

同じ場所を描いたその絵、その違いを朝顔は見つけます。

そして、朝顔はその場所へ向かったのです。

その場所では、平たち野毛山署の刑事たちが実証実験をしています。

「やっぱり！」

描いていたのは諒が倒れていた場所でした。

金網のフェンスの上には電線が張られていたのです。

そして、諒の描いた絵にはその電線があり、一馬の絵には電線はありません。

朝顔は気が付いたのです。

手のひらの傷は火傷だったのでは？！

そして、“事故”の状況を推理しています。

・　一馬が、金網のフェンスに挟まってしまったボールを取ろうとしてフェンスを登り、誤って電線を掴んでしまったのではないか。

・　その電線には高圧の電流が流れていて汗で濡れた手を通って心臓に電気が流れ、感電死した。

・　何らかの事情で、諒と一馬はユニホームを取り替えていたため死んだのは、実際には兄の一馬なのに諒が死んだことになった。

・　そして、野球部の顧問の三輪孝之は、そのことに気づいていたが黙秘するしかなかった。

朝顔は、自供した“一馬”を法医学教室に呼んで自分の推理を本人に聞いてみます。

すると、“一馬”は自分が諒であることを素直に認め、双子の兄弟が入れ替わったことを話し始めたのです。

そして、フェンスに挟まったボールを取りに一馬が登った時に、自分がフェンスを揺ったことが転落の原因だったと言い始めます。

しかし、一馬の死因は感電死。

「右手の火傷が諒くんの所為じゃないと教えてくれたよ」

そう、泣きじゃくる諒に告げてあげた朝顔。

死体検案書にも感電死と記載し、夏目主任教授（山口智子）に手渡しました。

検視官の丸屋（杉本哲太）からの緊急連絡があって朝顔（上野樹里）は、山梨県と神奈川県の県境に建つ小屋に到着します。

そこで、ミイラ化した遺体が発見されたのでした。

山梨県警と神奈川県警がその遺体の検視をめぐり一悶着があった後、朝顔のいる興雲大学法医学教室で解剖することになりました。

なぜならそのミイラ化した遺体がタキシードに蝶ネクタイ姿で、神奈川県警が20年前から追っている事件の容疑者にその服装が似ているためでした。

しかし、解剖してみると歯の治療痕がその容疑者とは食い違っていて別人と断定されます。

その後の警察のDNA照合からその遺体が吉野ノリオ（66歳）と判明。

娘の吉野カナが遺体の確認に法医学教室にやってきます。

カナは、ミイラ化した遺体を見ても「本当に父なのでしょうか？」と確信がもてない様子。しかも父はタキシードと蝶ネクタイの着衣を返されても「父はこんな派手な服装はしません」といぶかしがるばかりです。

この言葉に朝顔は、心に引っかかるものを残します。

しかし夏目茶子主任教授（山口智子）に「私達が出来ることはここまで」と諭されて死体検案書に“死因不詳”と記入し提出します。

そんな朝顔の様子を見て茶子先生はあることを提案します。

横浜でもただ一軒のある料理を提供するフランス料理店に朝顔を連れて、カナを招待します。

そこはなんとカナの父・ノリオが最期にある女性と食事をした場所だったのです。

食べたフランス料理は、“カエル料理”。

実は法医学教室でミイラ化した遺体（ノリオ）の胃の残留物でただひとつ解明できていなかった骨が、実は“カエル”の骨だったのです。

茶子先生はその話を前もって聞いていて、その料理を出す店を調べ、その日のカナの父・ノリオの様子を店主から聞いていました。

タキシードと蝶ネクタイは、その夜のデート用にノリオがした娘の知らない一面を表す服装だったのでしょう。

しかし、朝顔にはカナが話した「父が見つかったのは20年前になくなった母の墓の近くだった」という一言が気に掛かります。

朝顔の父・平（時任三郎）が密かに、母・里子（石田ひかり）が失踪した場所近くへ引っ越す準備をしていることを知っていたからでした。

マンションで若い女性・坂井亜依（椚ありさ）の死体が発見され首に残っていた僅かな傷跡から絞殺の可能性があると朝顔（上野樹里）は判断します。

硬い紐や部屋に落ちていたタオルではこんな傷は付きません。

しかし、マンションの部屋の鍵はどこも締め切られていて密室状態。

誰か鍵を持っている人間の犯行と思われます。

指紋を採取してみると、マンションの管理人のものが電気のスイッチ付近から出たため、野毛山署刑事課では、管理人から事情聴取を行いますが「部屋に入った時にはもう死んでいた」と証言。

亜依の姉・美優（高梨臨）の話では「亜依には付き合っていた男性がいて、その男が貸した金を返そうとせず亜依は別れたがっていたので怪しい」との情報。

その男・岸川の事情聴取では逆に「亜依は姉・美優と仲が悪かった」と容疑を美優に向けようとします。

容疑者を絞り切れず捜査は難航します。

朝顔は野毛山署の刑事になった桑原忍（ともさかりえ）と伴に再度、マンションの部屋の現場検証をした結果、きちんと巻かれ保管されていたリボンを発見。

”これで亜依の首を誰かが絞めた後にドアノブにタオルを引っ掛けて亜依が自殺を図ったように偽装工作をした。しかし亜依が息を吹き返し後に遷延性窒息で死んだ”と、朝顔は死因を究明しました。

遷延性窒息とは、「何らかの原因で窒息状態になり意識を失うが一旦は取り戻すものの、（低酸素血症を経て高炭素ガス血症となり脳細胞が壊死して）後に死に至るもの」と朝顔は姉の美優に説明。

この死因判断により、亜依と交際のあった岸川を野毛山署刑事が追求した結果、犯行を自供。

事件は解決しました。

桑原忍は、巻き戻したリボンを思い出して、死ぬ前に亜依は男を庇ったのだと解釈しています。

けれど朝顔は忍のその話を無視し聞かない振りをしました。

亜依を殺そうとした男が犯行を隠そうとリボンを元に戻したというのが朝顔の見立てなのでしょう。

忍のロマンチックな想像を否定せずに受け入れなかった朝顔の態度でした。

その頃、朝顔の夫・真也の携帯電話には“聖奈”という女から「会いたい」というメールが届いていました。

真也は、「今日はダメ。明日ならOK」と返事を送信します。

翌日、朝顔はつぐみと一緒に岩手の三陸鉄道に乗って祖父のいる家に向かっていました。

桑原真也（風間俊介）は、監察官の五十嵐（松角洋平）から田村聖奈（中村里穂）が銃殺された件で尚も追及を受けていました。

真也は聖奈の恋人・桐谷大和（坂本慶介）の犯行だと譲りません。

しかし焼死した桐谷の解剖は真也の妻・朝顔（上野樹里）が担当していましたが、桐谷の死亡は聖奈が撃たれる前の時刻と推定していたのです。

五十嵐は、さらに事件の真実を知ろうと調べる朝顔にこの件から外れるように求めるために法医学教室にやってきました。

茶子先生は、五十嵐の求めを受けるふりをして、新たに担当とした光子（志田未来）のサポートを朝顔に申し付けます。

一方、真也が容疑者となっている事情を仙ノ浦で聞いた万木平（時任三郎）は刑事人脈を総動員して、拳銃強奪事件の現場周辺の防犯カメラ映像を入手し野毛山署に届けさせます。

さらに平は横浜に戻ると、忍（ともさかりえ）にあるヒントを与えます。

それは、桐谷の地元警察署の少年課に勤務していた元警察官に、桐谷の仲間の情報を聞いてくることでした。

「桐谷は少年時代にきっと地元警察の世話になっているはず」との読みからです。

それがみごとに的中、リストアップした不良仲間を一人ひとりあたり、桐谷の情報と行動を克明に洗いなおしてみると望月土建の望月克哉が浮かんできました。

その上、拳銃強奪事件の現場周辺の防犯カメラ映像にも望月克哉が映っていることが判明します。

五十嵐の指示で捜査から外されていた丸屋検視官（杉本哲太）は、桐谷が遺棄されていた現場周辺の証拠の採取をしていました。

持ち込まれた採取物の中に、東南アジアのタイにしかいないハエの死骸があったのです。

そして、忍が調べた望月克哉の渡航記録にもタイへ頻繁に旅行していることが載っていました。

これで、桐谷の遺体を遺棄したのが望月克哉である容疑の糸口が見つかったのです。

あとは、田村聖奈の頭に残る銃痕です。

朝顔と藤堂（板尾創路）は、もう一度田村聖奈の脳の復元を試みます。

すると、脳の内部がぐちゃぐちゃになっていたにも関わらず、運動野と呼ばれる脳の外側を覆う部分が損傷していなかったのです。

運動野は、四肢の運動をつかさどる部分です。

ここが機能するということは、歩いて行動を起こせることを意味します。

つまり、田村聖奈は頭を銃で撃たれた後に、歩いて桑原真也の目の前に現われたということも可能性としてはあり得たのです。

そんな捜査が行われていることも知らない五十嵐監察官が桑原を攻め立てている取調室。

そこへ捜査一課の監理官・瀧川（近藤芳正）が入ってきます。

「困りますね。まだ取り調べ中です」

五十嵐は監理官に向かって不満そうに言葉を吐きますが、瀧川は構わず、

「もうその必要は無い。犯人が今逮捕された」

と結論から切り出しました。

そして、無視された五十嵐が立ちつくす中、桑原に面と向かって、

「お前の証言が正しかった」

そう言って、事件のてん末を語り始めたのです。

要約すると、

• 望月克哉が昔からの不良仲間で後輩の桐谷を使って警官から拳銃を強奪させた。
• そのことを桐谷は田村聖奈にしゃべっている。
• 田村聖奈が刑事の桑原と会っているのを桐谷が知って、望月に相談した。
• 望月は桐谷に、聖奈と桑原を銃を使って殺せと指示。
• 桐谷は、桑原を聖奈に電話させ誘き出した後に、望月の借りているコンテナの中で聖奈を銃で撃ち、次に桑原を射殺しようとした。
• そこへ息を吹き返した聖奈が立ちはだかり、桐谷は桑原に右足を撃たれてコンテナに戻った。
• 発覚を恐れた望月が桐谷を撲殺しコンテナの中で焼いた後に、遺体を遺棄した。

ここまで聞いていた五十嵐は黙って取調室を後にします。

数日後、容疑が晴れた桑原に、非情にも長野県警への異動が発令されます。

「浮気したらダメだからね！」引越しの手伝いをしながら姉の忍（ともさかりえ）は真也（風間俊介）に向かって忠告します。

長野県警へ異動し交番勤務となった桑原真也は「姉ちゃんの方こそ単身赴任だろ。浮気されるぞ」とやり返していました。

一方、興雲大学法医学教室では朝顔（上野樹里）が海岸の岩場で発見された初老の男性の遺体を解剖していました。

死因そのものは、頭蓋骨損傷による失血死と診断されましたが、身元は判明しておらず、状況から警察は自殺と考えています。

しかし、朝顔は遺体の手や爪には発見された海岸には無い石灰が付着しており、右手の甲の骨が殴った後のように骨折していたため、まだ判断を迷っていました。

そこへ帰ってきた茶子先生（山口智子）が、解剖記録や写真をみると30年前に起きたある事件のことを語り出したのです。

それは、茶子先生が解剖を担当した浅野栞里ちゃん6歳が仲井戸修によって惨殺されバラバラに切断の上、埋められていた仲井戸修事件でした。

事件は一時大きく報道され母親の花純さんは心痛で亡くなっていました。

遺体の一部が発見されるたびに確認にやってきた父親・忠さんの髪は白くなり、最後に栞里ちゃんの遺体を引き取りに来た時には真っ白になっていたと茶子先生は語ります。

しかし栞里ちゃんの右腕だけが見つからず捜索が打ち切られて、犯人の仲井戸修は精神鑑定を受けて現在は出所していました。

その情報を得て警察は過去の記録から、海岸で見つかった遺体は栞里ちゃんの父親・浅野忠さんと判断します。

ところが、続けざまに男性の切断された足の遺体が法医学教室に持ち込まれます。

更に腕の遺体。

ここまで来て朝顔は、この遺体が仲井戸修のものではないかと疑い始めるのです。

そして、この男性の指の爪に挟まっていた皮膚断片のDNA鑑定からある事実が浮かび上がってきたのです。

そこへ、警察から浅野正さんの遺書が発見されたとの連絡が届きます。

そこには、栞里ちゃんの右腕が発見されないうちに捜索を打ち切った警察や、毎日のように押しかけていたマスコミが事件の収束を期に全く報道しなくなったことへの恨み言が述べられていました。

そして、仲井戸修を殺害したことが記されていたのです。

こうして、朝顔は解剖に浅野忠については自殺、仲井戸修については他殺と記入し茶子先生に提出を済ませます。

後日、遺体を引き取りに来た浅野忠の息子の願いで、遺体の髪の毛を黒く染めた朝顔と茶子先生。

「死んだら自分の髪の毛を黒く染めてくれ。そうしないと栞里があの世でお父さんを見て誰だか判らないだろう」

そう、忠が云っていたそうなのです。

その頃、三陸の仙ノ浦食堂では、店に設置された公衆電話から女将のみゆきさん（大竹しのぶ）が里子に電話をかけていました。

桑原（風間俊介）は、桐谷大和（坂本慶介）に対し発砲した件で神奈川県警刑事部長（田中要次）から呼び出されていました。

そこで、県警刑事部長から桑原は自主降格を申し出るように促されたのです。

それは、発砲事件を起こした桑原の処分を保留し本部長にまで裁断の労を厭わせないための組織の論理でした。

それを感じ取った桑原は、次の審議会では「単独行動と手順」については詫びたものの、発砲は自分の命を守る行為でもあり、自主降格には納得できない趣旨の発言をしました。

そこに、桑原を取り調べた監察官・五十嵐（松角洋平）が現われ、「正式な手続きでない査問会議は問題だ」と刑事部長をその場で追及したのです。

結局、桑原は処分もなく長野県警に戻り交番勤務を続けています。

この時期に野毛山署管内のマンションの前で刺殺事件が起こります。

被害者は21歳の大学生・小湊真由（愛甲ひかり）で、全身を１１ヵ所も刺されて死亡、藤堂（板尾創路）や光子（志田未来）たちの解剖により背部刺創による出血性ショックが死因と判明しました。

人気の読者モデル・真由の刺殺事件だったため、ネット上では憶測情報がばら撒かれていました。モデル仲間の吉永明日花（水野瑛）や、付き合っていた噂のあった橘凛太朗（宮内伊織）を犯人とする無責任なものもあります。

朝顔（上野樹里）は有給休暇の消化を茶子先生（山口智子）から命じられて、つぐみを連れて仙ノ浦に向かいます。

平（時任三郎）と再会、持病を悪化させて入院中の浩之（柄本明）を見舞った朝顔は、母・里子（石田ひかり）と中学・高校の同級生の美幸（大竹しのぶ）が営む仙ノ浦食堂に行き、美幸と出会うことになります。

小湊真由に続き、モデル仲間の吉永明日花が同じ手口で刺し殺されます。

SNS上では、真由と交際のあった橘凛太朗が晒し者にされ、警察も橘のアパートの部屋を張り込んでいました。

すると、橘は部屋で練炭自殺を遂げてしまったのです。

橘の遺体は、興雲大学法医学教室で朝顔によって解剖されました。

ところが、橘の遺体写真がネット上に流出。

流出させた犯人は、法医を目指して法医学教室で働いていた新人アルバイトの牛島翔真（望月歩）でした。

小湊真由や吉永明日花を橘が殺害したと思い込んだ牛島の勘違いが理由でした。

しかし朝顔は、橘の左手首の古い傷跡から、後遺症が残っていて小湊真由や吉永明日花の２人を切り裂くほどの力が無いと判断、刺殺犯人は別にいると見ていました。

朝顔には、女性2人の刺し傷が人体の構造を熟知した者の犯行と思えたからです。

夏目茶子先生は理事長室に遺体写真流出の件で呼ばれ、数日後、興雲大学法医学教室を去ることになりました。

そして、女性2人を殺した犯人が捕まります。

小湊真由や吉永明日花が密かに働いていたデートクラブの客の医師でした。

朝顔に代わって遺体の工事現場から転落して亡くなった清掃員の男性・坂口拓海（田本清嵐）の遺体解剖を執刀した新米法医の安岡光子（志田未来）が誤って自分の手の指を切って出血します。

それを隠していた光子ですが、遺体が感染症に罹患していたことを知り、シャワーで洗い流していたところを朝顔にみつかり検査を受けることになりました。

光子は、昨夜は育児のため朝顔が帰宅したことで徹夜し仕事をこなし寝不足だったのです。

そのことを十分承知している朝顔は、光子の不注意を責めることも出来ず、思い悩んでいました。

そこへ、解剖した遺体が狂犬病にかかっていたことが報告され、興雲大学は大混乱。

広報は、ホームページにその事実を掲載しました。

すると、世間に興雲大学法医学教室に対する警戒が広まります。

つぐみは、友達や先生に配ろうとした三陸から届いたお饅頭を食べてもらえず、保育園では「つぐみと遊ぶと病気になる」とイジメを受けて、家に帰ってからも朝顔に「みんな嫌い！」駄々をこねてしまいます。

そんな朝顔の落ち込んだ様子を察して、夫の桑原真也（風間俊介）は長野から帰って慰めます。
真也の顔を見て、つぐみもすこし落ち着いた様子になりました。

一方、興雲大学には亡くなった坂口拓海の妻（安藤聖）が訪ねてやってきます。

「少し長く、夫の遺体の側で時間を過ごしたい。」

妻は、マルマルとの子どもを妊娠している妊婦でした。

「お腹の赤ちゃんに感染しているかも知れない」

不安な気持ちがそんな言葉になって朝顔に伝わってきたのです。

しかし、狂犬病は人から人へは伝染しないものの、致死率100％の危険な感染症です。

遺体とも面会も出来ないばかりか、葬儀も出来ず、焼かれてしまうこともあります。

解剖の際に脳髄に触れた光子は、狂犬病に感染している可能性がありました。

本人はもちろん法医学教室の全員が悲観にくれる日々を過ごします。

その頃、三陸の仙ノ浦食堂では、万木平（時任三郎）と美幸（大竹しのぶ）がカウンターに並んで食事をしていました。

お酒も入って2人は打ち解け話も弾んでいました。

そこへ呼んでいた代行のタクシーが到着。

平は、「ご馳走様！」と美幸に声をかけて店から一端出て行ったものの、

キーホルダーと里子の歯が包まれているハンカチをカウンターに忘れ戻ってきました。

平「最近、忘れっぽくなって　ボケてきたかな？」

「まだ早すぎる！」と美幸。

この時は、互いに冗談のつもりでした。

数日後、光子の検査結果が出ました。

「陰性」と判定されたことが、光子自身から法医学教室に伝えられると歓喜が沸き起こります。

いつも光子から辛く扱われている情報漏えい事件を起こしたバイト医学生の牛島翔馬（望月歩）も涙を流して無事を喜んでいました。

長野県警管内の諏訪南交番に勤務を続ける桑原真也（風間俊介）は、同僚の竹岡（佐野瑞樹）が受けた「付近のトンネルで不気味な音がする」との通報を受け竹岡に代わって自転車に乗り巡回に出掛けます。

そのトンネルでは少し前にもお化けがでるという噂話もあって桑原は正体を確かめに行ったのです。

その頃、興雲大学法医学教室では、高橋（中尾明慶）が大学に出入りしている「ホワイトベーカリー」の店員・愛菜（矢作穂香）と食事に行く約束をしていたことが判ってしまいい、みんなから冷やかされて照れていました。

その夜になって、祖父・浩之（柄本明）の転院の知らせが連絡が入ります。

朝顔（上野樹里）はその電話で、浩之が見つかった里子（石田ひかり）のものかもしれない歯の検査結果を気にしていることを知り、翌日つぐみ（加藤柚凪）と一緒に浩之が転院した新しい病院へ行くことにしました。

しかし、一ノ関駅まで車で迎えにきた平（時任三郎）が、

• 転院した病院ではなく以前入院していた病院へ行ってしまったり。
• 面会の予約日を間違っていたり。
• 食堂にたびたび鍵を忘れたりすること。

を目の前にして、朝顔は平に健康診断を勧めます。

けれど、このところ自分にボケが始まったのではないかと不安に感じていた平は、思わず朝顔を怒鳴りつけてしまうのでした。

新病院で会えた浩之はだいぶ気持ちも弱ってきていて、朝顔は渡された歯の検査をしていないことをこう説明します。

「検査の結果を知ったら、母さんであってもそうでなくても、いずれにしてもお爺ちゃんから希望を奪ってしまう。　お爺ちゃんにはまだまだ長く生きて欲しいの」

それを聞いて浩之はこう力無くつぶやいたのです。

「しばらくぶりに会いに来てくれた娘の里子が震災の津波にのみこまれてしまって以来、一日だって、俺が代わりに死ねたらよかったと思わない日は無かった。　もういいんだよ俺は、朝顔」

朝顔は、涙を堪えながら考え込んでしまいました。

テレビの臨時ニュースでは、長野県でトンネルの崩落事故が発生したことを伝えています。

興雲大学法医学教室には応援依頼の連絡が入り、朝顔と光子（志田未来）と高橋と絵美（平岩紙）、それに牛島（望月歩）も志願して長野へ駆けつけます。

野毛山署の伊東検視官（三宅弘城）も長野県警への応援に来ていて、救護所の指揮を執っています。

さっそく、朝顔たちを見つけた伊東は朝顔に救護所の医務リーダーになって欲しいと依頼し、遺体収容の準備活動が始まります。

横浜の家では、つぐみが心配そうにトンネル事故のニュースを見ています。

つぐみは、朝顔が長野に支援活動に向かったことを忍（ともさかりえ）から聞いていたので、

「お母さん、何時帰ってくるの？」

と朝顔のことが気になって忍に聞いています。

一段落して、長野に来ている自分の状況を桑原に伝えようと朝顔は電話しようとしますが応答がありません。

次々と駆けつける医療従事者が休む間もなく、運ばれてくるであろう遺体の受け入れ準備を進めています。

そこへ、伊東に連れられて、桑原と同じ交番で勤務している竹岡が救護施設にやってきます。

ここで桑原がトンネルに巡回に行ったまま帰ってこないことを朝顔が知ります。

一瞬で朝顔の表情が硬直してしまいます。

絵美や光子それに高橋でもが、朝顔にしばらく作業を休むように云いまが、朝顔は「仕事をさせてください！」叫ぶようにみんなに訴えます。

何かしていないと落ち着いていられる状態ではなかったのです。

そこへ、家族が被害にあっているかもしれない地元の住民達が押しかけて口々に、

「救護所なんて云ってるけれど、ここは死体安置所なんだろ」

「不謹慎よ」

「誤魔化さずにハッキリしろ！」

などと、叫んで伊東をはじめ救護所の応援者に詰め寄っています。

そこへ、朝顔が現われて集まってきた人たちに向け

「みなさんのおっしゃるとおりになるかも知れません。　けれど、事故が起これば必要なことなのです。　安否を心配しているご遺族の元に早く帰して差し上げるためにも、どうか理解してください」

深々と頭を下げて、云ったその一言で詰め寄っていた人たちは引いてゆきました。

そこへ、桑原から朝顔の携帯に連絡が入ります。

「トンネル事故に巻き込まれちゃった。だけど擦り傷程度。今病院で手当てを受け終わって現場へ戻るところ。大丈夫だから安心して」

朝顔の表情に明るさが戻りました。

テレビ報道では、救出されて担架で運ばれてゆく人の姿が映し出されていますが、まだ死亡者の情報は伝えられていません。

そこへ、こんどは留守中につぐみの面倒を見てくれていた忍（ともさかりえ）からの連絡が入ります。

「つぐみが居なくなったの。近所を探してもどこにも見つからなくなった。どうしよう」

もうすでに夕闇が迫ってきた時刻に、つぐみは京浜急行の線路に近い大岡川に架かる旭橋の歩道橋を独り歩いていました。

行方不明になっていたつぐみ（加藤柚凪）が平塚駅近くで見つかってパトカーで送り届けられてきました。

朝顔（上野樹里）とつぐみが泣きながら互いを抱きしめあって、そしてそこに桑原（風間俊介）も加わって、親子はひとつになり再会できた喜びを噛み締めています。

しかしつぐみが居なくなったのが、朝顔が忙しくて心配し淋しく思っていたことが理由だったと解ると、朝顔は思い悩むのでした。

茶子先生が法医学研究室を辞め朝顔に負担が増していたのが原因だったのです。

桑原は自分が神奈川に戻り、つぐみの側にいてやることが必要だと考えて、仙之浦にいる平（時任三郎）に相談します。

平はそのことについては県警にいる知人を紹介してくれたのですが、朝顔に渡した里子のものと思われる歯を、まだ家の中で捜しています。

朝顔たち法医学教室のメンバーが長野へ応援に行っていた時に、藤堂（板尾創路）は横浜のあるバーで働く木嶋和樹の遺体解剖を行っていました。

ドロップという薬物の過剰摂取で、最近朝顔も同じ成分の薬物中毒で亡くなった人を解剖していました。

牛島（望月歩）はそのバーに行ったことがあり、ふつうの店だったと言う。

そしてまた階段から転落したという若い女性の解剖依頼が法医学教室に入ります。

やはり薬物中毒が原因で気を失い、階段から転落したことが死因と判ります。

亡くなった女性は松野沙英（22歳）顔に薬物の過剰摂取のためできた腫れ物が多数あり、腕には注射痕が幾つもありました。

朝顔は、1年以上薬物を打ち続けていた常習者だったとミーティングで説明しました。

ここで、松野沙英は木嶋のバーには出入りしていなかったものの共通の知人がいたと野毛山署の岡島浩司（斉藤陽一郎）が発言。

山倉係長（戸次重幸）は県警組対の矢神（宇梶剛士）に協力を求めますが、最初は情報をくれません。

しかし、万木平の名前を出し「平さんから薬物や（暴力団）組織のことで知りたければ矢神さんに頼ればいい」と聞いてきたと云うと、矢神は応じます。

まず木嶋と松野の写真を机の上に並べた矢神。

「木嶋和樹は暴力団・鮫島組から海外からの質の悪い薬物の売買を任されていたが、売り上げをガメた（横領した）ことで、薬図浸けにされ消されたらしい」と云います。

さらに「木嶋和樹には女がいた。松野沙英の友達なんじゃないか」ともう一枚の写真をおいて「1分だけトイレに行く」と部屋を出ました。

高橋涼介（中尾明慶）は、訪問パン販売の北村愛菜（矢作穂香）とのデートを楽しみにしています。

しかし、気掛かりなことがありました。

ジッとパンを売る愛菜の様子を窺う高橋。

光子（志田未来）から買ってくるように頼まれていたメロンパンを忘れるほど気もうつろになっていたのです。

不安を振り切って高橋は愛菜とデートをしての帰り道、その不安なことを愛菜に直接尋ねられない高橋。

愛菜はそんな高橋を見て、「寒いからなんだ」と勘違いして自分のマフラーを高橋の首に巻いています。

翌日、高橋は意を決して、そのマフラーに付着していた愛菜の髪の毛を検査機器に装着し、薬物検査をします。

結果は覚せい剤の成分を検出。陽性と出ました。

すこしうろたえた表情の高橋。

検査データをすぐに削除しています。

一方、松野沙英の遺体を確認しに来た両親。

薬物中毒死と聞いて、父親は遺体を見ずに「恥だ！」と嘆いて帰り、母親は娘の変わり果てた姿を見て打ち震えていました。

その様子をみんなに報告している朝顔。

「沙英を元の姿に戻してあげられないかしら」

だが、「それは無理やろな」

「あそこまでなると私達では無理ね」

「よっぽどのプロでなければな…..」

藤堂雅史(板尾創路)や絵美 平岩紙）たちもそう言うのです。

そして後刻、法医学教室にがあり、遺体引取りには業者が来てそのまま火葬するらしいのです。

その話を聞いた光子が、「ちょっと待って下さい」

その理由を誰が聴いても「ちょっと待って下さい」とだけしか答えません。

そこへやってきたのが、夏目茶子（山口智子）と謎の男性・若林（大谷亮平）。

「えっどうして！」

一同、驚きの表情の中で、

「わたくしの出番でしょうか？」と、にこやかな表情で茶子先生はそう云ったのです。

興雲大学に夏目茶子先生（山口智子）が謎の男・若林（大谷亮一）を連れてやってきました。

「そろそろ私の出番でしょうか」と言ったかと思うと、すぐさま、朝顔(上野樹里)と一緒にバスに乗って出かけてしまいます。

行き先は薬物中毒で亡くなった松野紗英（依田ゆい）の両親の住む家。

一方、茶子先生と一緒に着た若林が、損壊した遺体に防腐処理を施して生前の姿に戻すエンバーミングについて研究所のみんなに説明しています。

若林昭信は株式会社グリーフケアアンドサポートの代表者兼エンバーアーで、アシスタントとして茶子先生をスカウトしていたのです。

そして松野紗絵の遺体を元の状態に戻すことの了承を得るために茶子先生と朝顔は両親に会いに来たのです。

山間の古風な家に住む松野武弘（住田隆）と翠（黒沢あすか）が両親。

しかし父親は娘のことが許せないでいます。

「勝手にしろ」と妻に言っているのです。

「お前がちゃんとしてないからこんなことになるんだ！」妻を責めている父親。

それでもエンバーミング同意書にサインを貰ってきた朝顔と茶子先生。

一方、野辺山署強行班係を訪れた高橋（中尾明慶）が、「愛菜ちゃんのマフラーに付いた髪の毛から覚せい剤陽性反応が出たのです」と山倉係長（戸次重幸）に報告しています。

すぐさま、「彼女の身柄を確保してきなさい」と忍（ともさかりえ）に指示しています。

いよいよ松野紗英の両親が研究所へやってきました。

若林と茶子先生が紗英のエンバーミングを始めます。

そのころ、北村愛菜（矢作穂香）が高橋と会っていました。

高橋は愛菜にマフラーを返します。

「そのマフラーで調べさせてもらった。　愛ちゃんが何をしてるのかが判ってしまった」

傍に、忍ともうひとり刑事が立っています。

「松野紗英さん　薬物を使用してますね」刑事が断定しました。

「使用していません！」紗英は張り裂けるような大声で否定します。

高橋が愛菜に紗英の薬物中毒で悲惨な最期を遂げたことを説明しました。

「自分のパン屋さん持ちたいって云ってたよね。　今止めれば間に合う」

高橋のその言葉に、愛菜は事実をすこしずつ打ち明け始めました。

「木嶋と別れられなくて　知らなかったんです。薬売ってたなんて……….」

その言葉を聞いた刑事が痺れを切らして言いました。

「さあ　行こう」

そして、忍ともうひとりの刑事がマナを連行しようとします。

そこに「ちょっと待ってください」朝顔がやってきた。

朝顔がエンバーミングが終わった紗英の遺体にマナをあわせます。

最後に茶子が口紅を塗って仕上げ。

父親が触っている。

傷のことだ。

「治しましたよ」茶子

「良かったね。愛菜」母親。

ご両親とても喜んでいました。

愛菜はその様子に立会い「私が木嶋を付き合っていたから　（紗英は私を）恨んでいると思う」とポツリ。

「あなたはまだ間に合う　あなたは生きてるから」朝顔。

「がんばれ！　まなちゃん　がんばって！」高橋。

忍たちに連行されてゆく愛菜に声をかけています。。

「先生がエンバーミングを選ばれた意味がわかりました」

帰り道の途中で朝顔が茶子先生に話していました。

長野のアパートの部屋。

「平さん　お元気ですか？」

平へ桑原が電話しています

「僕は（平さんが）心配なんです」

「必要ない！」

法医学研究所では、高橋が落ち込んだ様子。

藤堂（板尾創路）がそんな高橋を「飲みに行こう！」と誘っています。

事情を理解しているみんなが藤堂にカンパをして応援。

高橋に立ち直って欲しいみんなの好意です。

家では、桑原（風間俊介）が料理している。

「おれ県警の五味さんにあってくる」朝顔に告げます。

平から紹介された県警の五味に人事異動のことで直接話しに行くようです。

つぐみが行方不明になってから自分が傍にいて世話をしなければと桑原は思い悩んでいたのです。

しかし翌日、五味から桑原は、

「私がどうこう出来る問題じゃないんだ」

そう云われていました。

翌朝。法医学研究所では、藤堂と高橋がしじみの味噌汁を飲んでいます。

二日酔いで2人とも体調不良の様子。

代わって朝顔が藤堂の授業へ教室に向かいます。

なんとそこに、警察辞めた丸屋大作（杉本哲太）が学生として座っていました。

法医学部へ入学していたのです。

「臨床検査学科」高橋の後輩になります。

「（事件連発で）あいさつができなかった」と云う丸屋。

それを聞いた高橋「ついに部下が出来た」と元気になっています。

法医学教室には独居老人の吉田春江の遺体が運ばれてきました。

朝顔の解剖が始まります。

両足と手の爪が黒い遺体。臓器まで炎症。

壊死しかけていました。

「敗血症だったことが予想されます」

感染症などに対する制御不能な生体反応による臓器障害が敗血症です。

一旦は、そう結論付けようとした朝顔ですが、不審な点がまだあった様で、住んでいた部屋を調べたいと言い出しました。

10世帯が入っているアパート。

冷蔵庫に作り置きの料理がパーケージされて保管されていました。

不動産会社の人間と隣人が不満を漏らしています。

その料理持って来た丸屋。

「料理を調べたい」と言い出します。

牛肉アレルギー。

検査がたくさん。

「見習いが決めるなー」

桑原のアパートに忍。

励ましている。

「偉そうに云っていて　なんにも出来ていないんだよ」と桑原。

食品微生物検査はすべて適性でした。

結論は、劇症型溶血性連鎖球菌感染症。

レンサ球菌によって突発的に発症し、急激に多臓器不全が進行する病気で、「人食いバクテリア」と呼ばれる怖い病気です。

普通の人には喉が痛む程度の症状ですが、糖尿病などで免疫力が低下している人では重症化し、亡くなることもあるのです。

吉田さんの場合、経路不明はでした。

しかし料理そのものには問題はなかったようです。

そのことを隣人・宮田市朗（赤楚衛二）に伝えようした朝顔や丸屋。

しかし「前にビーフカレー受け取ってからいつも…….。　迷惑だったんです」隣人はそう言ってドアを閉めました。

牛肉アレルギーのある吉田春江の冷凍庫には大量の牛肉が保存。

「ビーフカレーはあなたのために作っていたのです。そのことは知っておいてください」思い立った丸屋はドア越しに隣人に訴えかけます。

朝顔、平らに電話。

「このあいだはごめんなさい　傷つけたりして　」

「気にしなくていい」と父。

朝顔「生きてるだけですごいことだと判ったの…………」

「病院いってみるよ」と父

「ありがとう」

しかし翌朝、朝顔が電話してみるとまだ平は家に居ます。

「きのう　朝いちで行くっていったじゃない」

「そんな話はしてないよ」と父。

平はすっかり昨日の話を忘れていたのです。

万木平（時任三郎）は、仙之浦の海辺で妻・里子（石田ひかり）の捜索を続けていました。

しかし、津波で被災した地域は埋め立ての準備が進んでいて、平が捜索しているその場所には仙之浦スポーツセンターが建設されようとしています。

朝顔（上野樹里）は父親の危惧される病気の検査について話し合うため仙之浦に向かいます。

桑原（風間俊介）はつぐみ（加藤袖凪）の失踪があって以来、家族は一緒に暮らしてゆかねばいけないと考えるようになって、神奈川県警への復帰を申し出ていますが受け入れられないでいます。

その頃、興雲大学法医学教室では朝顔がしばし休暇でいなくなることで仕事が上手く回るか心配する声が上がっていました。

法医の藤堂（板尾創路）と安岡光子（志田未来）は「大丈夫！」と口を揃えて云いますが、決して安心な雰囲気にはなりません。

仙之浦で平と再会した朝顔。

家中に平のメモ書きが貼ってあるのを見て、認知症の症状が進んでいるのではと実感します。

祖父・嶋田浩之（柄本明）とも入院している病院で面会しますが、こちらは元気を取り戻しつつある様子で一安心です。

仙之浦スポーツセンターの建設着工が間近に迫ったある日、平は里子の捜索を断念し横浜の家に戻ることを決意します。

挨拶に寄った仙之浦食堂の美幸（大竹しのぶ）から渡されたデープには、高校生だった里子が弾くピアノで美幸たちが合唱する歌声が録音されているといいます。

「上手だね！」つぐみ、朝顔、桑原、平みんな揃った家族。

横浜の自宅では美しいメロディが奏でられていました。

「乾杯！」晩酌時になって、平が朝顔や桑原に向かって打ち明けます。

「お父さん病院行ってきた。アルツハイマー型認知症だって。病気の進行がゆっくりになるように通院することにした」

朝顔の顔が、一瞬凍りますが、

「そう…　話してくれてありがとう」

平「これからみんなには迷惑かけることになるけど、よろしくお願いします」と朝顔と桑原に向かって頭を下げたのです。

桑原「おとうさん！」

平「忘れてしまわない内にな」と笑顔を向けます。

朝顔「ヤーダ！　お父さんたら」

家族は努めて明るく振舞おうとしていました。