ドラマ「遺留捜査 第6シリーズ」見逃し配信でフル動画を無料視聴する方法！ネタバレあらすじ1話～最終話

京都府警特別捜査対策室の刑事・糸村聡（上川隆也）は、深谷成章（山田明郷）の遺体が発見された京都市内の豪邸のアトリエを捜索していました。

そこで糸村は画材を入れる木箱の中に保管されていた1本のスプーンを発見します。

深谷成章は、関西でいくつもの事業を経営する財界の大物でしたが、今は引退してすべて３人の子供達に会社を任せて油絵に没頭する毎日でした。

長男・尚一（草野イニ）は百貨店の社長、次男・俊介（永野宗典）は画廊、長女・佳菜子（山田キヌヲ）はフィットネスクラブを経営しています。

深谷成章（山田明郷）は、夜半に紅茶に入れた毒物により殺害されていました。

その夜、３人の子供と妻・美幸（福井裕子）と伴に夕食を摂った後、メイドの奥田彩月（中山忍）が運んできた紅茶を飲んで毒殺されたのでした。

聴き取りにより状況を把握した佐倉路花（戸田恵子）は、奥田彩月を追及し犯行を自供させます。

そして、地検からの求めに応じ奥田彩月は直ちに送検となりました。

しかし、ただひとり、糸村だけは遺留品のスプーンに拘って捜査を独自に進めていました。

科学捜査研究室の研究員・村木繁（甲本雅裕）の協力によってスプーンに付着した微量の絵の具からある発見があります。

そのスプーンが深谷成章のアトリエに飾ってあった名画「黄昏（たそがれ）」の作者・中森司郎（川添公二）が油絵を描く際に使っていた愛用品であることを突き止めていたのです。

その中森司郎は、殺された深谷成章の少年時代からの親友で、中森の作品「黄昏（たそがれ）」は3兄妹それぞれが手に入れたがっている時価3億円とも評価される深谷成章秘蔵の品でした。

画廊を営む次男・俊介（永野宗典）は、さっそく自分の店で個展を開催し名画「黄昏」を展示します。

俊介は、深谷成章に気に入られ深谷家に出入りしていた須藤温香（山谷花純）を担当にして、コンサルタントの落合エリ（西村亜矢子）を同時に展示する作品の収集にあたらせたのです。

しかし、古美術鑑定の重鎮・園田蓮（柄本明）が個展に姿を現すと、「黄昏」以外の作品がすべて贋作であることを見破ってしまいます。

俊介は、慌てて個展を閉じ、何故か須藤温香が警察に逮捕されます。

実は須藤温香の口座には落合エリからの金が入金されていたからです。

警察は、贋作販売の手数料と判断し、詐欺容疑で須藤温香を逮捕したのでした。

拘置所でそれを知った彩月は逃亡し、深谷家に電話をかけた後、ナイフで殺害されます。

「逃亡までして、深谷家に電話しなければならない用件とは何だろう？」

これにも、糸村は疑問を持ちます。

そして、亡くなっていた「黄昏」の作者、中森司郎の自宅を訪ねて、謎を解き明かします。

実は、中森司郎の妻・サキ（朝井千景）は、生前の中森に宛てた深谷成章の手紙を保管していたのです。

サキは、「私は手紙を読んでいません。　中森が私を愛していてくれたことは間違いないことですから」

と云って、手紙を糸村に差し出します。

そこには、

• 中森には妻とは別の女性が産んだ娘・彩月がいて、深谷がメイドとして側に置いていること。
• またその娘には監獄で生んだ子・温香がいて、息子に譲った画廊に勤めさせていること。
• 妻・みゆきの治療のために脊髄を提供してくれた中森への感謝の気持ち

が、綴られていたのでした。

深谷成章は、自分の身を削ってまでも親友が愛する妻のために力を貸してくれた中森司郎に対し、秘密を守りながら丸や丸々を庇護していたのです。

遺産相続に目がくらんでいた深谷成章の子供達は、彩月と温香が父・深谷成章の隠し子だと誤解して、彩月を殺害し温香を陥れていたのです。

彩月は、長女・佳菜子が父親の深谷成章を毒殺したことを知って、「黄昏」を娘の温香に譲ることを条件に身代わりになることを美幸や佳菜子に約束させていました。

その約束が破られたことを知って、美幸を問い詰めようと逃亡をしたのでした。

ところが、佳菜子によって彩月は殺されてしまいます。

深谷家の邸宅のアトリエで美幸や温香の前に立った糸村は、

「３分だけ私に時間を下さい」

と云った上で、

「名画『黄昏』は、中森司郎の思いを表す作品でした。それが絵の下書きに描かれているのです」

と言ったかと思うと、すぐさま躊躇いも無く３億円の名画『黄昏』をナイフで切り破ります。

「黄昏」の下書きには、娘を愛しみ抱く母の姿が描かれていたのでした。

メニュー開発をしている厨房で姫野美奈子（加藤貴子）が、頭部から血を流し死んでいるのが発見されました。

現場となった大手居酒屋チェーン・京和ダイニングのキッチン工房に集結した京都府警特別捜査対策室の刑事・糸村聡（上川隆也）は、そこで美奈子のバックのなかから、パペット人形を見つけます。

パペット人形は、手袋のように手にはめて会話のマネをする道具です。

しかし、美奈子は独身で子供はいなかったはず。

糸村はこのパペット人形にどんな意味があるのか？そこを知りたくて科捜研の村木（甲本雅裕）にその人形の素性を調べてもらいます。

一方、美奈子の殺害当日の行動を調べた神崎莉緒（栗山千明）と雨宮宏（永井大）は、鞍馬酒蔵の若い女性社長・野澤ひかり（阿部純子）と会っていたことを探り当てます。

そこで、美奈子とひかりが京和ダイニングの宅配サービスへの幻の銘酒「御所車」の納入を巡って意見が対立していたことを突き止めました。

銘酒「御所車」の酒蔵を父から受け継いだひかりは、「御所車」が居酒屋チェーンの宅配サービスで提供する手軽な酒になるのをどうしても承知できなかったのです。

しかし、鞍馬酒蔵は「御所車」の味が落ちたという評判が立っていて、売り上げが落ち経営が立ち行かなくなっていました。

それでもひかりは、「御所車」の古酒を造りたくて伝統を守る路線を変えようとしません。

そんなひかりに、事件の前日、美奈子は強者であるバイヤーの立場で強く路線変更を迫っていたのでした。

神崎と雨宮に同行していた糸村は、酒造の責任者・杜氏（とじ）の肥後平助（中西良太）から「御所車」の試飲を薦められ、味わいながらこの経緯を聞いていました。

同じ頃、科捜研の村木や滝澤綾子（宮崎香蓮）からの報告でパペット人形が、自閉症の子供のセラピーにも使われていることが判ります。

そこから、その人形の入手経路を辿ってゆくと、美奈子には離婚歴があり交通事故で亡くなった子供がいたことが判ってきたのです。

神崎や雨宮が京和ダイニングの聞き込みで入手した手掛かりは、美奈子が酒造を説得する「切り札」を用意していたことを突き止めていました。

特対室のメンバーは、具体的にそれが何であったのかを解明する手掛かりを調べ始めます。

そして「御所車」の原材料となる特注の酒米「平安錦」の仕入れ業者の丹羽（吉田輝生）を訪れた神崎や雨宮は、丹羽から美奈子が「平安錦」を買い占めようとしていたことを聞きます。

先代の頃から、鞍馬酒蔵は特注の酒米「平安錦」を丹羽に作付け依頼からすべて任せていたのです。

この時点では「美奈子が酒蔵から原料米を奪い取り力に任せてひかりを説得しようとしていた」と想像させるものでした。

そのことで、特対室は買占めを知ったひかりが美奈子を殺したのではないかと疑いを強めます。

しかし特対室の調べを受け、当日のアリバイを聞かれたひかりは突然倒れてしまいます。

しかし、美奈子が殺されたキッチン工房の防犯カメラ映像から別の重要な手掛かりが判明します。

美奈子の殺害当日の夜に杜氏の肥後平助（中西良太）がキッチン工房の中を窺っている映像が見つかったのです。

肥後からの事情聴取を室長代理の佐倉路花（戸田恵子）がしています。

しかし、肥後は黙秘するばかりで殺害を認めようとしません。

糸村はその様子を窺いながら、肥後はひかりを庇っているのではないかと感じていました。

そこで、ひかりの事件当日の行動をつぶさに洗いなおしてみると古酒の蔵元に出かけて試飲をしていたことが判ってきたのです。

それを知った肥後は、黙秘をやめて、その夜の状況を供述し始めます。

どうやら肥後は、その夜、美奈子には会えていないようです。

杜氏である肥後がいう「自分の腕が落ちた所為で、御所車の評価が下がって売り上げにも響いている」ということばに違和感を感じた糸村。

もう一度、佐倉たちは酒米業者の丹羽を訪ねます。

そこで、酒蔵へ納入していた「平安錦」に一般的な酒米を混入させて、余らせた「平安錦」を他の酒蔵に横流していたことを美奈子に指摘され殺害したことを白状します。

これは酒蔵との信頼関係を裏切る行為だったので、バラされたら丹羽にとって死活問題だったのです。

「あんな小娘が継いでうまくゆくはずがない」と丹羽は云います。

しかし、佐倉は言い返しました「鞍馬酒蔵の人はあなたのことを1ミリも疑っていなかった」

これで、美奈子の殺害犯人は捕まりました。

しかし、パペット人形の謎はまだ明かされていませんでした。

糸村は、ひかりの酒蔵を訪れて事件が解決したことに加えてあることを伝えます。

「私に、3分間だけいただけませんか？」

美奈子がカバンに入れて持ち歩いていたパペット人形をひかりに見せてから、糸村は語り始めました。

美奈子さんには、交通事故で亡くなった息子さんがいました。

このパペット人形はその子のセラピーに使われていた形見の品です。

何年前のことです。

ひかりさんは同じ頃、心臓の病で移植手術を受けていませんでしたか。

美奈子さんの交通事故で死んだ息子さんの心臓が臓器提供されてひかりさんに移植されたのです。

そして、ひかりさんは助かり、今、こうして酒蔵を継いで頑張っていられるのです。

そのことを、美奈子さんは知っていました。

だから、死んだ息子の分までひかりさんが夢を実現させ酒蔵を続けて頑張って欲しかったのです。

パペット人形は、その思いを美奈子さん自身強く持ち続けるためのものだったのです。

あんなにもあなたを強く叱ったのもその所為でした。

あなたが古酒を作り上げる。

その手助けをしたくて、美奈子さんは京和ダイニングの宅配サービスに「御所車」を卸して、酒蔵の経営を立て直してほしかった。

美奈子さんも銘酒「御所車」に相応しい美味しい料理を開発中だったのです。

というのが真実だったと糸村は、ひかりに伝えたのでした。

自分の仕事をやり終え満足している糸村と村木は、科捜研の一室で「御所車」を酌み交わしていました。

今回、糸村聡（上川隆也）が捜査する遺留品は和紙のような風合をもった厚手の紙です。

その紙は、射殺体された女性のポケットの中にあったハンカチに包まれていました。

女性の遺体は雑木林のなかで発見されます。

現場に駆けつけた佐倉路花（戸田恵子）は一目見て、元警察官の由紀（黒川智花）と気づいたのです。

路花の友人で亡くなった前園慶介（東根作寿英）の妹でした。

糸村は、持ち帰った遺留品の紙を、科捜研の研究員・村木繁（甲本雅裕）に鑑定してもらうと、その紙はパルプを原料として作られていて和紙とは違うと告げられます。

由紀は10年前に兄・慶介が死んだ同時期に警察を辞めて、現在はカメラマン・高峰英作（湯江タケユキ）の事務所で働いていました。

特別捜査対策室のメンバーは、前園由紀の勤めていた高峰フォトスタジオを聞き込みに行き、糸村はそこで由紀が集めているというお豆腐のパッケージを見つけます。

後日、糸村は由紀の部屋を捜索し風呂場のバスタブに牛乳パック開かれ浸けられているのを発見。

由紀が牛乳パックを原料にパルプを作っていたのだと考えて、糸村はミキサーを使って同じ様に紙を作ろうと実験しています。

しかし、紙を漉（す）く道具を村木に手伝ってもらい手作りしようとすると、研究員の滝沢が豆腐のパッケージで代用できることをインターネットサイトで見つけたのです。

高峰フォトスタジオへ再度やって来た糸村でしたが、豆腐のパッケージはリサイクルショップ「なんでも」が回収して行った後でした。

「なんでも」のお母さん足立信子によれば、「なんでも再生して蘇えらないものは無い」と云います。

豆腐のパッケージは、信子の娘・篠絵がやっているリサイクル工作教室で紙漉きの道具として使われていることがわかったのでした。

神崎と共にリサイクル工作教室へやってきた糸村は、ここで由紀があることを目的に再生したパルプで紙を作っていたことを知ります。

佐倉は、由紀が警察を辞めた経緯を思い出し、ある寺を訪れて記憶を呼び戻してゆきます。

そこは由紀の兄・前園慶介が庭木の剪定を請け負っていたお寺で、佐倉は住職から当時の話を聴いています。

当時、慶介に寺川たち受刑者の仕事を世話したのは佐倉だったのです。

ようやくさくらの記憶に、前園慶介が雇っていた元受刑者の寺川充（中村凛太郎）が、誤って慶介を殺してしまった経緯が蘇えってきました。

そんな時、大阪で最近起きた「暴力団員銃撃事件」で使われた銃と由紀の射殺に使われた銃が一致することが判明します。

佐倉は、再び如月組に関係を持っている寺川の元を訪ねてアリバイを聴きますが、寺川は「その日は自宅にずっといた。佐倉さんは変わってしまった」としか答えません。

しかも、由紀が殺された日に寺川と由紀が慶介の墓に来ていたという寺の住職の話があったことから特対室では、寺川の犯行との疑いを深めます。

特別捜査対策室のメンバー・雨宮（永井大）は、前園由紀の勤めていた高峰フォトスタジオを聞き込みに行き、元チンピラの柊登夢（綱啓永）がモデルとして活躍していることを知ります。

しかも、由紀が如月組の関係者だった柊を高峰フォトスタジオにスカウトしてきたということに疑問を抱きます。

高峰英作が言うには以前は「クズはクズ」が日頃からの口癖だった由紀。

由紀の行動が糸村には理解が出来ません。

事件は、当日の由紀の足取りを追うことで殺害現場が判明し、そこに残っていた足跡から柊登夢を特定し事情聴取の結果、由紀を銃で殺害したのは如月組に関係する加藤恭一（長南洸生）だとの供述を得ます。

柊から脅迫して金を奪い逃走しようとしていた加藤らは、隠していた拳銃や由紀の所持品も見つかったこともあり捕まります。

糸村は事件解決後、いつものように「3分間だけ僕にお付き合いいただけませんか」と佐倉に言ってあるお寺に向かいます。

糸村はリサイクルショップで意外な話を聴いていたのです。

あるとき店に訪れた由紀が、店主の足立信子に「助けによって人は生まれ変われる」と心境の変化を語っていたことを糸村は知ります。

それは佐倉が一番、由紀に伝えたかったことだったのです。

そのきっかけは、自分が救った柊登夢がモデルとして成長して行く姿でした。

佐倉の願いが由紀に伝わっていた証でもありました。

佐倉が10年間、慶介の命日に墓に供え由紀に出し続けていた手紙。

返事は一度も来なかったけれど………。

糸村は、捨てられた牛乳パックから再生した紙で作ったハガキを使って、由紀が佐倉に返事を書こうとしていたことを最後に語ります。

「10年分の手紙の返事をそれに書くのを由紀さんは楽しみにしていたのだと僕は思います」

「三条北町　縁（ENN）」と店の前に出された立て看板が大きく映し出され、老人が「りかこちゃん、りかこちゃん」とこの店のママの名前を呼びながら入ってゆきます。

老人の名は家主の梶木邦昭（小林勝也）。

店の中で、梶木が里香子（朝海ひかる）が背中から血を流し倒れているのを発見しました。

糸村聡（上川隆也）は、前日の閉店後にバーの店内で殺されていたママの中松里香子が少し変わった形の銀のマドラーを握って死んでいたことに疑問を持ちます。

死因は背後から何者かに刺された包丁傷でしたが、糸村は現場から先端が小さなスプーンの形で手元が尖っているこのマドラーを持ち帰り、科捜研の村木（甲本雅裕）に鑑定を依頼しました。

一方、佐倉（戸田恵子）たち他の特別捜査対策室のメンバーは、殺された里香子が22年前に福岡市内で料亭の板前が殺された事件の容疑者として指名手配されていた本名・川端葉子であることを突き止めます。

神崎は、第一発見者で里香子がママを勤めていたバーの家主・梶木邦昭から話を聴きます。

しかし、梶木が里香子を雇い入れた6年前に不審な印象は無かったため身元は確認しなかったと云います。

そんな折、福岡の事件の被害者・内藤真也（山本峻也）の母親・和代（白川和子）が里香子と会っていたという情報が舞い込みます。

そのため特対室の中では22年前の事件関係者による復讐説が有力となって、雨宮（永井大）と沖田（戸塚純貴）は福岡へ行き内藤和代から事情を聞きます。

その結果和代が「里香子を殺そうとナイフを用意して里香子の店に行ったが、里香子が『自首する』と言った為、殺さずに帰ってきた」と証言したことを雨宮は佐倉に報告します。

その際、里香子は『ある男が捕まるまで待って！』とも云っていたそうです。

だがその男の名は、和代も聞けていませんでした。

村木の鑑定の結果、マドラーにはアボガドの成分の痕跡、凶器の包丁からは里香子のものとは別の血液がわずかに検出され、犯人は手を傷つけていることも考えられたのです。

現場のバーカウンターに貼ってあったネイルサロンの名刺から糸村と神崎莉緒(栗山千明)は、店長・小川深春(工藤遥)から里香子との関係を聴くことになります。

しかし深春は里香子がネイルサロンの客であったことは話しましたが、この時は里香子のこともマドラーのこともよく知らないと云います。

ただ、深春は自分の手のひらのケガはガラスを落として傷つけたと証言していました。

糸村は古道具屋でマドラーが、沖縄のかんざし“ジーファー”であったことを突き止めます。

特別捜査対策室のメンバー雨宮（永井大）と沖田（戸塚純貴）がバー「縁」の常連客の八百屋の主人・井野（伊能努）から事情聴取していると、そこに糸村がやってきます。

そこで糸村は、マドラーが経営コンサルタントの前田（中村優一）から里香子に渡されたものであることを知るのです。

経営コンサルタントの前田に会った糸村。

それが、深春から前田が「幸せを呼ぶマドラー」としてプレゼントされていたものであった事実を掴みます。

一方、神崎（栗山千明）は経営コンサルタントの前田を巡り、里香子と深春がもめていた事実を聞き込みで把握しました。

前田と里香子と深春が三角関係にあったと佐倉の前で説明しています。

俄然、特別捜査対策室の疑惑の目が、深春と前田に向けられました。

特別捜査対策室のメンバーが前田の顧客リストにあったエステサロンを訪れると、そこには府警捜査2課の刑事がクレジットカード情報をスキミングする機器が仕掛けられているのを発見していました。

この時、京都では盗まれたクレジットカード情報でお金が詐取される被害が多発していたのです。

消されたエステサロンの防犯カメラ映像を科捜研が復元、前田がスキミング機器をカード読み取り機に設置する様子が映っていました。

経営コンサルタントの前田が客のクレジットカードをスキミングしてクレジット情報を盗み出すのを深春も疑っていたのです。

捕まった前田が佐倉から詰められて、家主の梶木から頼まれてやっていたことを白状します。

梶木は、自分が貸した店で前田を使って客のクレジット情報を盗み出させていたのです。

里香子から前田の悪事を通報された梶木は、自分にまで累が及ぶのを防ぐため里香子を殺害したというのが事件の真相でした。

そして、梶木は第一発見者を装っていたのです。

捕まった梶木、佐倉に「あなたのような資産家がなんでこんなことをする必要があったのですか？」と問われこう梶木は答えました。

「私はね、人助けが生きがいなんだよ、人助けには金がかかるんですよ」

「何が人助けだ！」取調室に佐倉の大声が響きます。

糸村は、ネイルサロンの前で深春を呼び止めて「3分だけ私に時間をいただけませんか」と切り出しました。

そしてマドラーが実は、沖縄の伝統の身を守るという幸運のかんざし・ジーファーであったことを告げます。

沖縄出身の里香子は、ジーファーに自分の“分身”と言う意味のあることを知っていたのです。

糸村はそのジーファーが、里香子が逃亡中に生んだ子供を彦根にあった施設・小鹿乳児院の前において去る際に、赤ん坊のお包（くるみ）みに添えられていたものであることを糸村は調べていました。

こうして糸村は、そのジーファーを幼い頃からずっと携えていた深春さんが、施設に保護された里香子の娘であることを伝えたのです。

しかし深春は、自分を捨てた母を許そうとは思えません。

そこで、糸村が深春に尋ねます。

「深春はいつころからこれが幸せを呼ぶマドラーだと思っていましたか？」

深春は「ずっと昔からそう……」とだけ答えます。

彦根の小鹿乳児院で聞いてきたことを糸村は、深春に続けて話します。

「乳児院の先生によると、あなたが5才の時に迷子になって、その時救ってくれたある女性にそう云われてからだそうです」

「きっと里香子さんはあなたのことをずっと見守ってくれていたのですね。　だからあなたが迷子になったことにも気が付いたのです」

初めて真実を知らされた深春の目からは涙が止まりません。

撲殺された痕が被害者男性の頭部に残っていました。

そして遺体の傍にあったカバンからは「京都名所マラソンを中止しろ」と書かれたチラシが見つかります。

佐倉（戸田恵子）や雨宮（永井大）は「被害者の男は京都名所マラソンを妨害しようとしていたのはないか」と推理。

一方糸村（上川隆也）はと云うと、被害者のポケットにあった巾着の中から発見された紐（ひも）を持ち帰って、科捜研の村木（甲本雅裕）に鑑定してもらいます。

その後、被害者の男性・稲葉祐介（長谷川朝晴）は21年前の殺しで服役していた過去があることが判ります。

特対室に京都名所マラソンの主催者・倉持俊（冨屋規政）がやってきて、大会を妨害する者が居ても公にしないで欲しいと求めたのです。

倉持は“京都のトランプ”と言われるほどのホテル王。

なにがなんでも京都名所マラソンをやり抜くと強気です。

しかし、脅迫状を持っていた稲葉祐介には心当たりが無いと云います。

神崎（栗山千明）たちは、倉持の妻で元有名アナウンサーだった蒼（霧島れいか）に会います。

蒼は目を病んでいてガイドヘルパーの笠原春奈（尾崎真花）が付き添っていました。

春奈は、倉持に対する周囲の評判がすごく悪く味方をするのは蒼だけですと漏らします。

ある夜、京都名所マラソンのコースにあたる千坂神社前で爆破事件が起こります。

脅迫文に関係する人間がもう一人いた事になると佐倉は考えています。

糸村は、稲葉の勤め先の料理屋へ行き、残された荷物の中からアイルランドの詩人フレデリック・バトラー・イェイッの詩集やビデオテープを見つけ、大量のテープを借りてきました。

そして、科捜研に持ち込みまた村木に観て貰うことにします。

雨宮たちは倉持の息子智也（大八木凱斗）と大学で会います。

しかし、任意の質問には答えようとしません。だが腕に切り傷があることを発見します。

糸村は、京都の伝統工芸品屋へ行って紐が、「昇苑組み紐」で編んだ組み紐であることを知ります。

2つの組み紐が合わされたもので20年以上前に作られた紐と最近組まれたものが合わさっていました。

その店で教えてもらった「昇苑組み紐」へ向かった糸村。

20年以上前に組まれた紐は、蒼がアナウンサー当時に紹介していた組み紐だと判ります。

「ほどけない・ずれない組み紐」

そう番組で紹介しています。

今度は、観光用バスが爆破されます。

爆弾が入った紙袋をもった倉持智也が目撃されていました。

智也は府警へ連行され雨宮が事情聴取しています。

智也は「自分の思いどうりにして」と父の倉持を憎んでいるのです。

倉持の仕事に敵意を持ち、京都名所マラソンを妨害しようとして稲葉と揉めて殺したのではないか？

そう、雨宮は智也を追求しますが、

智也は「殺してない」と否認します。

一方、神崎は蒼と会います。

稲葉との関係を聞かれた蒼「稲葉さんを知っています。付き合っていました」

稲葉の中島美奈子殺害の経緯も解って来ました。

「金欲しさに稲葉が中島を殺した」と言っているのは違うと云います。

稲葉のポケットから出てきた組み紐が「ブラインドマラソンで使うロープか？」聞くが

「その組み紐とロープは違う」と笠原は答えます。

村木に預けたテープには野球の練習風景、だか1つだけは違う映像が映っていました。

糸村「こういうことか」

また爆弾の材料は肥料だったことが判明。

一方、笠原春奈が肥料を大量に購入している事実や自宅から爆弾も発見されます。

倉持のホテルに勤めていた父親が過労死して倉持に恨みを抱いていたのです。

倉持の息子を誘導し爆破事件を起こさせていました。

稲葉が蒼の様子を聞きに笠原に会いに来たため、稲葉も京都名所マラソン妨害に誘い込んだのです。

笠原が稲葉を殴り殺したことが判明しました。

その罪を着せるため智也をそそのかしたと自供したのです。

稲葉祐介殺害は笠原春奈の犯行だったことが解明されました。

糸村は事情聴取を終えた蒼を呼び止めて「3分だけ戴けませんか？」と話しかけます。

まず、組み紐が20年以上前に蒼が紹介していた「昇苑組み紐」で組まれたものと、最近稲葉が組み紐教室で自ら組んだものをあわせた品であったことを話します。

そして紹介ロケは稲葉が撮っていたのですね。と蒼に云います。

さらに、

中島美奈子は、蒼と稲葉の写真を撮って蒼を強請（ゆす）ろうとしていた。

その中島を稲葉は止めるため誤って殺してしまった。

という事実を糸村は蒼に告げます。

「もしかしたら稲葉さんは牢屋の中であなたと同じ星空をみていたのかも知れませんね」

稲葉は笠原から聞いて、蒼が倉持から自己宣伝のために走らされているのを知っていました。

そして、蒼さんが決して幸せでないと言うことも。

「稲葉さんの願いは、蒼さんには蒼さんを愛する人と人生を歩んで欲しいという願いだったのです」

こう糸村は結びます。

京都名所マラソンは中止となりました。

京都のジャスバーで演奏中の新庄リュウ（葛山信吾）が突然倒れて死亡するという事件が起きます。

新庄はバンドのリーダーでサックスの名手と呼ばれていた人物。

死因は毒物中毒死らしいが、詳しいことはまだ判明していません。

その現場へ糸村（上川隆也）がいつものように遅れてやって来て、遺留品を見つけます。

今回は、遺体のポケットの中にあった小さなケース。

そこに入っていたのは薄い板状のものが4枚。

バンドの付き人満島（小野塚勇人）に聞くと、それはサックスを吹くときにマウスピースにつけるリードだと云います。

そのリードには使いはじめた日付2/10,2/11,2/15,5/3の記載がありました。

短期間で消耗してしまうリードだから使用開始日を記録しておく必要があるそうなのです。

するとなぜ、5/3と古い日付のものが残されていたのか？

疑問に思った糸村がリードの日付の謎を追いかけ始めるのでした。

満島をはじめバンドのメンバーの事情聴取では、次のニューヨーク公演でメンバーをひとり入れ替えると、新庄がメンバーに伝えていたことが判明します。

外されるメンバーの恨みからの犯行という見方も特対室の中に広がります。

そこへ、ピアノ奏者の棚橋詠美（小橋めぐみ）が新庄と恋人関係にあったとの情報。

さっそく棚橋に外されるメンバーの名を聞いてみると、「とっくに別れていて知らない」といいます。

また別な情報が入り、

バンドの付き人満島が、音楽プロデューサー井上（藤重政孝）のスカウトを受けてプロデビューする噂だった。

特対室のメンバー雨宮（永井大）と沖田（戸塚純貴）は、井上の事務所を訪れて聞くと、棚橋の紹介で満島をスカウトしプロデビューさせる準備をしていたと言いいます。

しかし、それが新庄に知られて中止になったと話します。

さらに、新庄が倒れた日のステージのビデオを撮っていると雨宮に渡したのです。

一方、神崎（栗山千明）と糸村は新庄がサックスを修理に出した楽器店を訪れ、前日にメンバーの荒木（生津徹）が阿久津（吉田ウーロン太）から毒物のことを聞いていたことを知ります。

結局、事件は「自分がメンバーから外されると」考えた荒木が新庄を毒を使って殺したことが判明し落着します。

しかし、糸村の仕事はこれからでした。

野外音楽堂で、プロデビューに向け独りサックスの練習をしている満島。

その満島に近づいていった糸村「3分だけ戴けますか？」といつもの理（ことわ）りを入れます。

そして、4年前に新庄が重い難聴を患って自殺を図ったことから話をはじめます。

満島の幼馴染の関口香澄（村崎真彩）がその危機を救い、葦笛のことや満島がサックス奏者を目指していることを新庄に伝えていたと話したのです。

5/3と古い日付のリードは、その日を記念して自分が作った葦のリードに新庄が記したものだったのです。

新庄が満島のプロデビューを止めさせようとしたり、「金儲けにサックスを使おうとしているうちはダメだ」と厳しい言葉を投げかけていたのは満島の力を認め伸ばそうとしていたからだと、糸村は告げたのです。

そして、

「濁った音は消すしかないと云って入れ替えようとしていたメンバーはきっと新庄さん自身の事で、満島さんにニューヨーク公演に行って欲しかったのです」と糸村は言い、5/3と書かれたリードを満島に渡しました。