「監察医 朝顔2」桑原犯人説の根拠は崩せるのか？

ドラマ「監察医朝顔2」6話で朝顔（上野樹里）の夫の桑原真也（風間俊介）が、県警・監察官の五十嵐（松角洋平）から田村聖奈（中村里帆）を射殺した犯人だと疑われ厳しく追及されていました。

五十嵐の桑原犯人説は正しいのでしょうか？

「監察医朝顔2」で監察官・五十嵐の桑原犯人説の根拠は崩せるのかを考察してみました。

監察官五十嵐の桑原犯人説の根拠

監察官の五十嵐は、最初は桑原の発砲までの経緯説明を頷（うなず）いて聞いていました。

• 風俗店の一斉捜査で事情聴取した聖奈から相談を受けた。
• 聖奈から緊急の電話を受けて発信された場所に向かった。
• そこに聖奈が現われ、背後に桐谷大和（坂本慶介）が銃を構え立っていた。
• 緊急時だったので、上空に威嚇射撃せずに桐谷を撃った。
• 桑原が撃った弾は桐谷の右足に命中したが、桐谷は足を引きずりながら逃走してしまった。
• 聖奈は倒れて死亡し前頭部には銃痕が残っていた。

ここまで桑原が説明したところで、五十嵐はタブレットを差し出し防犯カメラに映った桑原の発砲映像を見せます。

そこには桑原と田村聖奈しか映っておらず、桑原の言う桐谷の姿はありません。

更に、聖奈に残されたハッキリと判る銃痕は前頭部だけで、後頭部は聖奈が倒れた時の傷により銃痕が判然としません。

藤堂（板尾創路）の解剖所見では、脳の損傷がひどく銃弾の進行方向さえ特定できなかったのです。

そこに桑原の証言を覆す決定的な情報が飛び込んできます。

「桐谷が事件発生当時すでに焼死していた」

桐谷の解剖を担当した朝顔が判断した死亡推定時刻から、桐谷が発砲現場にいた可能性はなくなりました。

五十嵐は、十分証拠は揃ったと判断し、桑原に迫ります。

「おまえが田村聖奈を射殺したんだな」

• 防犯カメラ映像
• 前頭部の銃痕
• 桐谷の死亡推定時刻

監察官五十嵐の桑原犯人説の根拠はいずれも崩しがたいものでした。

桑原と射殺された聖奈との関係は？

では、桑原に聖奈を射殺する動機はあったのでしょうか？

「風俗店一斉捜査で事情聴取した聖奈から相談を受けた」

と桑原は供述していますが、本当でしょうか。

桑原は聖奈から何度も自分のスマホに誘いのメールを受けていて、間違いなく一度は会っています。

場所は、馬車道近くの港の見えるオープンテラス。

そこで、聖奈の恋人・桐谷の存在を桑原は聖奈から聞いています。

これは恋愛相談です。

警察官が勤務時間外に風俗譲からそんな相談を受けていること自体不思議です。

もし監察官の五十嵐が、捜査対象者と男女の関係を持った桑原が発覚を恐れて田村聖奈を殺したと考えても、動機に矛盾はありません。

なぜ桐谷がそこにいたのか？

百歩譲って桑原の言うとおり発砲現場に桐谷がいたとしましょう。

ではなぜ桐谷がそこにいたのでしょうか。

・　桑原と聖奈の関係を疑い、桐谷は桑原に殺意を抱いた。

・　発端となった警察官の拳銃を奪ったのは桐谷。

・　桐谷が聖奈を脅し桑原を誘い出して殺そうとしたが、桐谷が発砲した銃弾は聖奈の後頭部を貫通した。

そう推測することが出来るかも知れません。

事件の真相は？

ドラマ的には桑原が犯人だと2クールの予定がここで終わってしまうので、監察官・五十嵐の桑原犯人説の根拠は崩しておかねばなりません。

• 防犯カメラ映像

これは桐谷の立ち位置によって映り込まないこともあるでしょうから現場検証によって桑原の証言を裏付けることもあり得ます。

• 前頭部の銃痕

これも、貫通した銃弾が見つかれば発射時に付く拳銃独特の傷（旋条痕）によって見分けが付くと思います。

また、桑原の拳銃の弾が焼死体の右足から見つかればもっと早く、桑原犯人説の根拠は崩せます。

• 桐谷の死亡推定時刻

事件当日は大雨が降っていました。聖奈の後頭部を撃って殺してしまった桐谷が、焼身自殺。

雨が遺体の腐乱を進ませて死亡推定時刻を狂わせた。

とも考えられます。

一応、これで監察官・五十嵐の桑原犯人説の根拠は崩すことは出来るのですが、筆者は桐谷でなくても良いのではないかと考えます。

どういうことかと云うと、

• 田村聖奈は風俗譲だったので他にも付きまとう男がいた。
• 桑原は聖奈から桐谷について相談を受けていたので聖奈の背後にいたのが桐谷だと判断してしまった。
• 桐谷を焼き殺したのも、聖奈を撃ったのもその男。

野毛山署で、山倉係長（戸次重幸）が写真から桐谷を特定しようとた時、他の3枚の写真に映っていた男が怪しい。

まとめ

監察官・五十嵐の桑原犯人説の根拠は鉄壁に思えましたが、すべて桑原の供述の裏返しでしかありません。

決定的な“凶器が桑原の銃だという証拠”ではないのです。