ドラマ「監察医 朝顔2」監察医ってどんな職業？横浜に監察医はいるの？

2019年夏に放送され大きな反響を呼んだドラマ「監察医 朝顔」の続編の放送が11月2日スタートしました。

初回視聴率も13.7%と月9ドラマ復活の兆しが感じられる結果となりました。

その注目のドラマ「監察医 朝顔2」の中で、上野樹里さんが演じている監察医・万木朝顔ってどんな職業なのか？本当にドラマが設定している監察医って横浜にはいるのか？を調べ、考察してみました。

ドラマ「監察医 朝顔2」上野樹里さんが演じる役柄は？

今回も、主人公・朝顔は、前回と同じく神奈川県にある興雲大学法医学教室の法医学者という設定です。

そして、ドラマ「監察医 朝顔」の中で起こる事件のほとんどが横浜市内の野毛山署管内で起こっています。

そうすると、横浜では監察医イコール法医学者という解釈でいいのかというと、そうでも無いようなのです。

まず、監察医って何をする人なのでしょうか？

監察医は、夏目茶子さん（山口智子）がドラマの1話で丸屋検視官（杉本哲太）に言ったように“遺体を解剖する”人です。

しかし、解剖にもその目的によって病理解剖と法医学解剖があるようです。

病理解剖は、亡くなった方の病気の原因を詳しく知る目的と将来の医学発展のために行われる解剖です。

その一方で、法医学解剖は主に遺体が伝染病や犯罪などに関係するか否かを判定するために行う解剖です。

さらにその法医学解剖は、

①　公衆衛生を目的に死体解剖保存法に基づいて災害・伝染病・中毒などで死因が明らかでない死体を解剖する監察医がおこなう行政解剖

②　犯罪捜査を目的として刑事訴訟法に基づいて法医学者が行う司法解剖

（平成25年に制定された親族の承諾なしに実施できる新法解剖を含む）

に分かれます。

つまり、行政解剖は監察医が、司法解剖は法医学者が行うことと覚えてよさそうですね。

すると、朝顔（上野樹里）は法医学者だから司法解剖が仕事ってことですか。

だけど、所属しているのは興雲大学医学部の法医学教室だから研究や講義もするのかな？

実際の大学所属の法医学者は大概、研究や講義も兼務らしいのです。

いや、それだけではなくて実は、一部の都府県を除き、行政解剖も大学所属の法医学者がしているらしいのです。

監察医の制度ってどうなってる？

では、本来は行政解剖を担当する監察医って、いないのでしょうか？

いいえ、実は東京23区と大阪、神戸には監察医務院という組織が設置されていて、名古屋では委託ですが監察医制度が維持されています。

しかし、その他の地域では、大学医学部に所属する法医学者が、監察医に代わって行政解剖も司法解剖も行っているのが実情なのです。

だから、法医学者は膨大な数の解剖を日々実施しているのです。

実際に横浜市に監察医はいるの？

ドラマ「監察医朝顔2」の舞台設定は神奈川県横浜市です。

しかし横浜には平成26年まであった監察医務院が廃止され、現在は無いので監察医はいません。

しかし、実際には民間委託され病院（研究所）で解剖が行われているのです。

その研究所の所長は、以前は横浜私立大学医学部で助手をされていた方で、現在は医師として開業、一時は年間に3800体もの遺体を横浜市から委託されていたベテランの解剖医です。

この研究所のケースは、ドラマ「監察医朝顔」のモデルというより、ドラマ「アンナチュラル」のモデルと言った方が良い様な気がします。

ちなみに、横浜の場合、解剖代金8万8千円と遺体運送費は遺族が全額負担となります。

（東京23区は行政解剖の場合、都と遺族が分担だそうです）

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まとめ

ドラマ「監察医 朝顔2」の監察医は、厳密な意味では行政解剖をする監察医務院に所属する医師のことですが、実際にはもっと広い意味で司法解剖も行政解剖も行う法医学者や医師でした。

そしてこのドラマの舞台となっている横浜市には、委託を受けて解剖を行う民間研究所があって、多くの解剖がなされていました。