「監察医朝顔2」祖父・嶋田浩之（柄本明）が朝顔（上野樹里）に告げたこととは？

「爺ちゃん　朝顔に黙っていたことがある」と祖父・嶋田浩之（柄本明）が語り出した「監察医朝顔2」3話のラストシーン。

ドラマの中では放映されなかった祖父が“朝顔に黙っていたこと”とは何なのか？

「監察医朝顔2」3話の中にあった伏線を基に朝顔（上野樹里）が祖父から告げられた事実を考察します。

ハンカチに包まれた歯は何故そこに？

2話にもそして3話にも登場した「ハンカチに包まれた歯」は誰のものなのでしょうか？

もちろん、里子（石田ひかり）の写真が飾られた祭壇の引き出しに仕舞われていたものなので、里子の歯と考えても良さそうです。

では、どうやって祖父の嶋田浩之（柄本明）はその歯を手に入れたのでしょうか？

考えられるのは2つ。

①　里子と思われる遺体が発見され残っていた歯で本人と断定された。

照合に使われたのが家に残されていたハンカチに付着した皮膚から検出されたDNAと発見された遺体の歯のDNA。

だとすれば、一致したことで浩之は里子のことをすでに諦めていたと考えられます。

祖父・嶋田浩之の真剣な言い方からすると、遺体から抜かれDNA鑑定に使われた歯と考える方が、合っていると思われるところです。

しかし、「監察医朝顔2」は、まだ3話が終わったばかり。

里子捜索ネタが無くなっては、一話完結の物語だけになってしまいます。

これで、2クール持つとは考えにくいのです。

②　子供の頃、里子が抜いた歯を嶋田浩之が保管していた。

ドラマの中にもつぐみ（加藤柚凪）の歯が抜けて桑原（風間俊介）が屋根に投げるシーンがありましたね。

それと同じ様に里子の子供の頃に抜けた歯を浩之は投げずに取っておいたとも考えられます。

そこで、②説が急浮上です。

「今後、発見される腐乱したりミイラ化した里子と思われる遺体との照合に爺ちゃんが大切に保管していた歯があるから使って欲しい」と朝顔に提案するシーンが3話のラストだった。

と考えたいですね。

平（時任三郎）は何故里子の故郷に転出するの？

ここで、3話の吉野カナ（佐久間由依）の父・ノリオの行動が伏線として生きてくるのです。

ノリオは、山梨と神奈川の県堺にある妻の墓の近くで亡くなっていました。

本人の意思でそこに行ったのかどうかは不明ですが、引かれる様に妻の墓へ向かったとも考えられます。

やはり、妻のことを愛していた。

カナはそう考えたかった様です。

平（時任三郎）が横浜から里子の故郷に転出するのも同じ思いからなのではないでしょうか？

少なくとも、朝顔はそう考えているようです。

万木平役の時任三郎さんは、現在62歳。

数々のドラマや映画で1980年代から活躍してきた俳優ですが、代表作は誰でも「ふぞろいの林檎たち」の岩田健一役や「Dr.コトー診療所」の原剛利役を挙げることでしょう。

しかし筆者が強く印象に残っている役は映画「海燕ジョーの奇跡」の主役・海燕ジョーです。

沖縄で実際にあった暴力団組親分の射殺事件をモデルに描いた作品で、主犯の男ジョーが沖縄の海を渡り、台湾、フィリピンへと海外に逃亡した実録調の物語でした。

主人公を演じる時任三郎さんの海を渡り切る野性的なエネルギーに魅了された記憶が今でも鮮明に蘇えってくるのです。

ジョーの逃亡を助ける沖縄の西表島の漁師がなんと！三船敏郎さんでした。

時任三郎さん自身も、その理由は不明ですが俳優業を捨てて海を渡ってニュージーランドで暮らした数年の歳月があります。

遠い南の島での生活が似合いそうな真っ黒く日焼けした時任三郎さんの優しい表情がイメージとして定着しています。

そういえば「過保護のカホコ」の加穂子の父・根本正高役にはそんな表情がたくさん登場していましたね。

嶋田浩之（柄本明）は何故今まで語ろうとしなかったの？

保管していた歯が、幼少の時抜けた里子の歯でも、震災後に発見された遺体から抜かれた歯でも、嶋田浩之（柄本明）が今まで朝顔に語ろうとしなかったのは何故なのでしょうか？

それは、里子の死が確定することへの怖さからではないでしょうか？

その歯を法医学者である朝顔に言わずに隠すことによって、明らかになる事実を先延ばしにしたかったのです。

しかし、平が捜索している間は黙っていられても、孫の朝顔が沼で遺体を探すようになった今、浩之はもう知りたくない事実とも向かい合わねばならないと考え、歯のことを打ち明けたのだと考えられます。

朝顔（上野樹里）が祖父から告げられたこと

嶋田浩之は、2話の中盤で母・里子の捜索を続けようとする朝顔に「もう来るな」と言っていました。

その意味するところは、もう遺体が発見されてしまっているのだからというよりも、ニュアンスとして、「もう諦める時が来ているのだよ」という感じがしました。

すでに平は義父の嶋田浩之に妻の故郷への転居を相談しているはずです。

恐らく、浩之は娘の夫の平が住所を移して里子を探そうとすることを自分が止めてやらないと“平の人生を潰してしまう”と心配したのだと思います。

そして、浩之は「里子はもう発見された。だから捜索は意味が無い。刑事の職に留まれ」朝顔を通じてそう平に告げたかったのです。

嶋田浩之役の柄本明さんと言えば、ドラマ「半沢直樹2」の幹事長・箕部啓治役で、耳に手を当て聞こえない振りをするポーズを流行させた張本人ですが、元々コメディアンです。

下北沢を本拠地として1976年に創設した劇団東京乾電池の結成メンバーでした。

俳優としては、1982年に松本清張原作の映画「疑惑」に準主役級のルポライター・秋谷茂一役で出演し日本アカデミー賞助演男優賞を受賞する演技で注目を浴びます。

鋭い感覚と理詰めで主役の白河球磨子（桃井かおり）を追い込む怖さと最後にやってくる狂気の沙汰が、筆者には今でも柄本明さんのイメージとして残っています。

実はその柄本明さん、「監察医朝顔2」では義理の父と娘の夫という関係を演じている時任三郎さんとは1991年に「ふぞろいの林檎たちⅢ」で共演していたのです。

何でも金で解決しようとする成りあがり者・門脇幹一の役ですが、ドラマの主要メンバーのひとり美人で気位の高い宮本晴江（石原真理子）を妻にするのです。

当時としては柄本明さんのその登場で日本中にショックが駆け回わりました。

最近ではすっかりお爺さん役が多くなった柄本明さんですが、「監察医朝顔2」では長年培った名脇役ぶりを発揮してくれています。

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まとめ

放映されなかったラストシーンで、祖父・嶋田浩之（柄本明）が朝顔（上野樹里）に告げたことは、「里子は発見されたので、平はもうこっちへ来るな」と云う事です。

柄本明さんの迫真の演技が見られた3話のラストシーンでした。