「半沢直樹2」なぜ高坂（吉沢亮）は黒崎駿一（片岡愛之助）の監査からフォックス逆買収の情報を隠すのか？

ドラマ「半沢直樹2」3話、東京中央銀行証券営業部長伊佐山（市川猿之助）が企てる電脳雑技集団による東京スパイラル買収への半沢直樹（堺雅人）の対抗策はフォックス逆買収です。

そのフォックスを逆買収するという半沢の戦略に立ちはだかる黒崎駿一（片岡愛之助）が3話に登場します。

東京スパイラル社長の瀬名の指示でフォックス逆買収の情報を隠そうとする高坂（吉沢亮）。

ドラマ「半沢直樹2」3話で、なぜ高坂（吉沢亮）は黒崎の監査からフォックス逆買収の情報を隠すのかを考察します。

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フォックスとはどんな会社？

フォックスの本業は家電販売の大手企業です。

日本全国に量販店網を張り巡らせた企業規模は電脳雑技集団や東京スパイラルの比ではありません。

社長の郷田（戸次重幸）は家電業界では伝説の人として信用のある人物。

ところが最近のフォックスは業績不振で身売り話が出るほど経営は悪化していたのです。

社長の郷田は２話で東京スパイラルのホワイトナイトとして買収を防御する側にいたはずでしたが、実は伊佐山による東京スパイラル買収の手段として使われていたことが判明しました。

太洋証券の広重（山崎銀之丞）が企画したフォックスの東京スパイラル株式第三者割り当て引き受けの資金は東京中央銀行から融資されることになっていたのです。

つまり、フォックスが取得した新規発行株式は全て、買収者側の電脳雑技集団へ引き渡される計画になっていました。

半沢にこの策略を見破られた伊佐山と電脳の社長・平山（土田英生）は、情け容赦なくフォックスの郷田を切り捨て融資の話をご破算にしたのです。

この一件が基で、フォックスの経営悪化が報道され世間にも露見したことで、フォックスの株は暴落を始めます。

元々、苦境に立っていたフォックス、郷田は窮地に陥ります。

半沢直樹（堺雅人）はフォックス逆買収で何がしたいの？

半沢の狙いはもちろん電脳雑技集団による東京スパイラルの買収阻止です。

そこには森山（賀来賢人）がフォックスの企業分析で発見した”ある子会社の重要な情報”が発端となります。

ある子会社とは、サンフランシスコにある米国通販子会社・コペルニクス。

重要な情報とは、コペルニクスに米国最大手IT企業・マイクロデバイス社もコペルニクスへの出資を検討している。

というもの。

そのコペルニクスを支配するフォックスを東京スパイラルが買収すれば、東京スパイラルは自社の検索エンジンを駆使して米国最大の通販サイトを構築できる。

フォックス買収の情報を事前に市場に流せば、東京スパイラル株は急騰すると半沢は読んだのです。

高値となった東京スパイラル株を入手しようとすれば、電脳雑技集団は更に大きな資金を必要とし、東京中央銀行に融資の増額を求めてくる。

半沢はその時こそが、伊佐山に対し“倍返し”をするチャンスだと考えたのです。

黒崎駿一（片岡愛之助）が何故、監査に来るの？

ところで、3話ではその半沢の狙いに立ちはだかる敵が意外なところから現われます。

それが、証券等監視委員会の監査という名目で東京セントラル証券にやってきた黒崎駿一です。

証券等監視委員会の監査って何？

そのそも黒崎がいる証券等監視委員会は公正な証券取引の推進を目的に、バブル崩壊後に金融庁に設置された組織。

具体的には、インサイダー取引や株価操作と云った不正取引を監視するのが役目です。

その監査の対象の中心となるのは、大量の株式取引やM&Aなど企業買収の業務を委託されて行う証券会社です。

ですから、証券等監視委員会の職員として黒崎が東京セントラル証券へ監査に訪れるのは特別異例なことではありません。

どうして黒埼が証券等監視委員会にいるの？

しかし、前作のドラマ「半沢直樹」では、国税局の査察官や金融庁の検査官として登場した黒崎が、何故こんどは証券等監視委員会にいるのでしょうか？

もちろん、国税局も金融庁も証券等監視委員会も財務省組織の一部の機関ですから異動したり出向したりするのは、当たり前のことですが何か因縁を感じますね。

前作では東京中央銀行の岸川取締役の娘と黒崎の結婚話が、半沢によって大和田常務（香川照之）を追い詰めるきっかけになっていました。

銀行と監督官庁とは密な関係なのかも知れません。

黒埼が東京セントラル証券に監査に来た理由

そこから想像すれば、黒崎が東京セントラル証券に監査に来た理由は、証券等監視委員会本来の業務とは少し違うのかも知れませんね。

東京中央銀行による半沢直樹包囲網の一手とも考えられるのです。

「半沢を叩き潰せ！」

東京スパイラルの買収を阻止されては困る三笠副頭取（古田新太）や伊佐山からの要望に答えたものなのかも知れません。

どうして高坂（吉沢亮）はフォックス逆買収の情報を隠すのか？

東京スパイラルの瀬名社長（尾上松也）の部下である高坂（吉沢亮）は、社長からの指示を受けてクラウド上にあるフォックス逆買収に関するファイルを消去しようとします。

きっとそこには買収に関わる資金や株価操作の戦略が記録されているのでしょう。

半沢や瀬名は何としても黒崎の追及をかわしたいのです。

その理由は、半沢が“東京スパイラルがフォックスを買収する”という事前情報を週刊誌に流し株価を吊り上げたことがインサイダー取引に当たるからです。

黒崎に証拠を掴まれたら、東京スパイラルの守護神・半沢直樹が犯罪者となってしまいます。

高坂（吉沢亮）はどうやって黒崎の捜索を潜り抜けて情報を守り抜くのでしょうか。

ここが、3話の注目ポイントになるでしょう。

証券監査の結果やフォックス逆買収劇はどうなるの？

黒崎による証券等監視委員会の証券監査は、池井戸潤氏の原作小説「ロスジェネの逆襲」にはありません。

ここはドラマオリジナルの部分なので、この証券監査の結果はドラマのスタッフ・キャスト以外は知らないのです。

しかし、半沢の意図的な情報漏えいが発覚してしまえばフォックス逆買収劇も完結できないばかりか半沢が収監されてしまうこともあり得ます。

半沢の窮地を救う人物がいるとすれば考えられるのは、三笠副頭取や伊佐山と対立関係にある役員・大和田以外にはいません。

ここで半沢が潰れてしまっては大和田の反撃もないからです。

しかも、いま大和田のバックには中野渡頭取（北大路欣也）が事態を見守っているはずです。

微妙な東京中央銀行内部の対立関係が、黒崎の監査に影響を及ぼす。

というのが筆者の予想です。

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まとめ

高坂が黒崎の証券監査でフォックス逆買収の情報ファイルを隠そうとした理由は、半沢の情報漏えいが露見してしまい東京スパイラルが電脳に買収されてしまうからです。

来年2021年のNHK大河ドラマ「青天を衝け」で主人公・渋沢栄一を演じることが決まっている高坂圭役の吉沢亮さん。

予告ではロスジェネ世代の森田（賀来賢人）と一緒にITを駆使して証券監査を乗り切る秘策を練る姿が映っています。