過去の犯罪について語った真人(林遣都)を、桃子(有村架純)は優しく抱きしめます。
しかし、真人は桃子に迷惑をかけてはいけないと思い、
桃子からそっと離れて、仕事に戻ります。
先輩の悟志(藤木直人)は、真人の落ち込んだ様子を見て察し、
慰めようと真人に膝カックンをしかけたりと子供じみたちょっかいばかり仕掛けてきます。
真人は悟志の優しさには感謝しつつも、
「どうせならさりげなく甘いコーヒー差し入れるとか、そういうのにしてくださいよ」
とさすがにツッコみます。
そんな真人に悟志は「どんなにつらくても、絶対に仕事は辞めるなよ」と言います。
一方、桃子は真人に拒まれたショックで泣きながら帰路についていました。
すると、家の前で親戚の川上さん(光石研)が「話があるんだ」と待っており、
2人はコンビニ前でコーヒーを飲みながら話し始めます。
川上さんは、自分が真人の保護司であったことを桃子に伝えます。
川上さんは「俺はあいつ(真人)のこと大好きなんだよ。
過去に犯罪をおかして服役していたなんて信じられないくらい、
本当にいいやつなんだよ! だけど、その恋の相手が桃子だと知ったら、
どうしていいか分かんなくなっちまったんだ……」と正直に言います。
桃子はおじさんの気遣いに感謝しながらも、
「私が自分で決めるから、おじさんは私が決めたことを応援して」と答えるのでした。
数日後、出勤前に川沿いを歩いていた真人は、ふと気がつけば、
前に桃子と話をした場所へ来てしまっていました。
忘れようとしながらも桃子のことばかり考えてその場で悶々としていると
突然、真人に肩に野球ボールが飛んできます。
近くでキャッチボールをしていた子たちのボールが飛んできたのです。
その子たちというのが、なんと桃子の弟たち3人でした。
真人も弟たちもお互いに誰なのか認識しており、その場で仲良くなります。
一緒にキャッチボールをしながら、弟が「姉ちゃんのどこが好きなの?」と聞きます。
真人が困っていると、そこへちょうど仕事終わりの桃子がやって来ます。
真人は慌てて、「もう仕事行かなきゃ」とその場を立ち去るのでした。
その夜、桃子とみゆき(奈緒)はまたコンビニ前で語り合います。
桃子は真人から話された過去について、みゆきに打ち明けます。
すると、みゆきは「私は反対する!」と言います。
驚く桃子にみゆきは「こういう時、親だったら桃子のためを思って反対すると思うんだ。
だから、私がかわりに反対する。でも反対してるからって諦める必要はないんだよ。
反対してる人を納得させるくらい、桃子が幸せになればいいんだから!」と言葉を続けるのでした。
その後、桃子は職場でもなかなか調子が出ません。
心配した日南子(小池栄子)と沙織(紺野まひる)は、
桃子の家にお邪魔して女子会を開催します。
日南子は「人は2種類の仲間がいると幸せなんだって。ひとつは何でも打ち明けられる友達。
もうひとつは何も聞かずにバカやって一緒に笑ってくれる人。
私たちはバカ担当だね!」と言って、盛り上げてくれます。
桃子は周りの人たちの優しさに触れて決心し、真人を遊園地の観覧車に呼び出します。
観覧車の中で桃子は「真人さんは私に、『恋人にはなれない』って言いました。
それは分かりました。ただ最後にお願いがあります。本当のことを聞かせてください」
と言います。
先日、真人が桃子に事件の話をしたときは、彼女の証言にあわせた説明をしていたのです。
それだと、一方的に真人が悪いように聞こえていました。
しかし、桃子はそこにちょっと違和感を感じていたのです。
「いつもの真人さんだと弱音とか言わないから、ここ(観覧車)に乗っている間だけ、
正直になってください。今世界には私と真人さんしかいないんです。
だから安心して話してください」と桃子は言います。
真人はうなずいて、当時の本当のことや気持ちを話し始めます。
事件があった当時、警察に捕まった真人は、“自分は恋人を守っただけ”と
思っていたのでまさかそんな大ごとになるとは思っていませんでした。
もちろん、見知らぬ2人組に襲われて怖かったし、今まで喧嘩だってしたことがなかったけれど、
目の前で彼女が犯されそうになっている状況だったので、真人は必死に男たちを殴りつけました。
だから、警察に捕まってから、彼女が「襲われてなんかいない」と証言していると聞いて、
真人はまさか彼女がウソをつくなんて思っていなかったので、
自分の頭がおかしくなってしまったのではないかと、自分のことが信じられずに怖くなりました。
しかしその後、どうやら彼女は“襲われた”というレッテルが貼られると世間体が悪くなるから
ウソの証言をしているのかもしれないという話を聞いて、
真人は“自分の頭がおかしいわけではなかったんだ”と思えてホッとしました。
さらに、ウソの証言をのむことで、“彼女のことを本当に守れるんだ”と思って、
否定せずに受け入れたのでした。
「でもやっぱり刑務所に行くのは怖かったし、この先の人生を思ったら、
たくさん後悔もした」と真人は涙を浮かべながら語ります。
「今さらあとには引けないし、“もうどうでもいいやー”とも思ったけれど、
ただ親には申し訳ないなって……」と声をつまらせます。
「ごめん、なんかうまくしゃべれないや……」と言う真人に桃子は
「撤回します。さっき、恋人になれないの“分かった”って言ったの撤回します。
もっと好きになっちゃいました」と泣きながらそっとほほ笑んで言います。
桃子は真人の涙をぬぐってから手を握り、
「一緒に泣こう。そして、私の恋人になってください」
とあらためて言います。
そこで観覧車の1周が終わってしまいます。
すると、真人が「もう1周しようか」と言って、
2人で手をつなぎながら観覧車に乗り続けるのでした。
姉ちゃんの恋人【7話ネタバレ】
桃子(有村架純)と真人(林遣都)は正式に付き合うことになりました。
真人は母親の貴子(和久井映見)にそのことを伝えると、
貴子は泣いて喜びます。
桃子も弟たちに、真人の過去も含めて報告します。
桃子は「私は吉岡さんを信じてる。でもね、世の中ってそんなに優しくはないと思うんだ。
だから姉ちゃん、悔しい思いすることがあると思う。時々きついこともあるかもしれない。
その時は、助けてください。姉ちゃんの味方でいてください」と弟たち語ります。
長男・和輝(高橋海人)は「ずっと姉ちゃんが俺たちを守ってきてくれたんだ。今度は俺たちが姉ちゃんを守る」と言うと、
次男・優輝(日向亘)も三男・朝輝(南出凌駕)も目に涙をためながら、深く頷きます。
それから安達家4人はみんなでカラオケに行き、ワイワイと桃子の恋愛成就をお祝いするのでした。
桃子と真人は初々しく照れ合いながら、カフェでデートします。
互いに、付き合うことを誰に伝えたか、を報告します。
真人は、悟志(藤木直人)に伝えた際に“年末で悟志が部署移動になる”と打ち明けられた、と話します。
真人にとって悟志は恩人なので、とても寂しがります。
一方桃子は、真人の保護司・川上さんが桃子の叔父さんであることを知らせます。
驚く真人の目の前で桃子はビデオ通話で川上さんに電話をかけ、“デート中でーす”と報告します。
川上さんは二人を嬉しそうに祝福します。
その後、真人と桃子は貴子が働く藤吉弁当を訪れます。
桃子はそこで、以前ホームセンターのクリスマスツリーを見て泣いていた人だと気がつきます。
貴子は嬉しそうに、涙をためながら「よろしくお願いします」と桃子に挨拶するのでした。
ある日、真人が出勤しようとホームセンターの従業員口に行くと、
和輝(高橋海人)が待っています。
和輝は「俺たち弟3人は全力で姉と真人さんを応援するって決めました。
でも、本当に大切な姉なんです。もしもあなたが姉を傷つけるようなことがあれば、
僕は絶対にあなたを許しません」と、真剣な表情でうったえます。
真人がしっかりと受け止めると、和輝は緊張がとけて表情をやわらげます。
「今度うちにも来てください!あいつら(弟2人)も会いたがってるんで!」と笑顔で和輝は去って行くのでした。
夜、桃子はみゆき(奈緒)とまたコンビニ前に集合して、真人とのことを報告します。
そして、やっと今度はみゆきからの話を聞くことになりました。
みゆきは2つ話したいことがある、と言います。
まず、みゆきが勤めていた旅行会社の倒産が決まったという事です。
コロナ禍でも何とか持ちこたえようと必死に頑張ったけれどダメだったのです。
みゆきは「失業しちゃったよ。好きな仕事、好きな職場だったのに……」と落ち込みます。
桃子はたまらなくなって、みゆきを抱きしめます。
そして、もう一つ、ずっと桃子に言えていなかった和輝とのことを報告します。
桃子は「和輝からは何にも聞いてない!」と驚きます。
みゆきは「私から桃子に話すから、それまでは黙っててもらったの!」となだめますが、
桃子はパニックがおさまりません。
帰宅した桃子は和輝を外の駐車場へ呼び出します。
“みゆきは私の大切な親友なんだから、中途半端な気持ちじゃ許さない”と詰め寄る桃子に、
和輝は動じずに“真剣に向き合ってる”と答えます。
さらに、和輝が桃子に黙っていたことについて、
桃子は「女の子との約束を守ったんだね。それは偉い。そういう男は好き。
だけど、姉ちゃんとしてはちょっとムカつく。だから……」と言って、
和輝のお腹にパンチします。
そして桃子は「こんなに大きくなりやがって」と笑顔で和輝の頭をクシャクシャとなでるのでした。
一方、日南子(小池栄子)と悟志(藤木直人)は、いつものバーで楽しくお酒を飲んでいます。
お酒も入って調子に乗った日南子は思わず、過去の恥ずかしい恋愛話まで吐露してしまいます。
自分が恋愛に関して“重すぎる”ことを暴露してしまった恥ずかしさで後悔する日南子を悟志は笑って受け止めます。
そんな悟志の恋愛観はどうなのかをたずねると「“重い”とか“軽い”っていうのは分からないけど、
自分の元を去って行く人を追いかけたことはないな。
だって、去るってことは俺のことが嫌になったってことでしょ?」と答えます。
日南子は「どうしてそんなに臆病なの?」と思わず言ってしまいます。
悟志は「何でだろう?本当はそんなに好きじゃなかったのかな?」と言います。
そこへ、悟志に“高田誠志”という人物から電話がかかってきます。
席を外して電話に出る悟志はその相手に向かって、
「ですから、年内までという約束です!それまでは自由にさせていただきます!」
と強い口調で話していました。
悟志が電話を終えて席に戻ると、日南子がいなくなっています。
帰ったのかと思い、思わず外へ追いかけに行きますが見つかりません。
悟志は残念そうにバーに戻ると、日南子がトイレから出てきます。
悟志はホッとして「もう行っちゃたのかと思ったよー!」と言います。
日南子は「もしかして、今私のこと追ってた?」とたずねると、悟志はハッとします。
そして「俺、日南子ちゃんのこと好きみたい」と言って、悟志は日南子を抱きしめます。
ホームセンターでは、クリスマス後のニューイヤーレイアウトの企画が持ち上がります。
クリスマス企画の成功から引き続き桃子がチームリーダーに就任します。
同様に配送部からは真人が担当となり、2人は街中をデートしながら、
いろいろなレイアウト案を楽しそうに考えます。
2人で並んで信号を渡っていると、道の端に停まる1台の車に真人は気づき、凝視します。
その車に乗っていたのは、なんと真人の元カノ・かおりだったのです!
姉ちゃんの恋人【8話ネタバレ】
偶然出会ってしまった元カノ・かおりは“少し話がしたい”と、近くのカフェへ行きます。
桃子(有村架純)は気を遣って帰ろうとしますが、真人(林遣都)が
「乗り越えたいから、そばにいて欲しい」と引き留め、同席することになります。
かおりは過去にことについて謝ろうとしますが、真人は「謝らないで!」と止めます。
真人は「君が今幸せならそれでいいんだ。そうじゃないと俺が耐えたことが無駄になっちゃうから。
俺、君を守れたんだって思いたいんだ。だから幸せになることから逃げないで」と言います。
かおりは泣きながら「ありがとう。幸せになろうと思います」と答えるのでした。
元カノとのことも乗り越えて、桃子と真人の絆は一層深まります。
そして桃子の安達家では毎年恒例のクリスマスパーティーの計画を立て始めます。
安達家では、クリスマス当日はいつも桃子のホームセンターの仕事が忙しい日なので、
ちょっと早めの12月20日に行うことが毎年の慣例になっているのです。
今年は、ゲストに真人とみゆき(奈緒)も招待することになり、みんなワクワクしています。
ホームセンターでは、日南子(小池栄子)が先日悟志(藤木直人)に抱きしめられたことを
思い浮かべながら「あれは何だったんだ?」とウキウキニヤニヤしながら売り場中を歩き回ってしまいます。
とはいっても、もちろん仕事もちゃんとしています。
日南子の部署では、桃子をリーダーとしてお正月レイアウトの企画を着々と進めています。
みんなでアイデアを出しながら企画会議をする中で桃子がふと、
「こんな風に私たちの意見を取り入れてくれて、ほんといい会社ですよね~」と言うと、
日南子は「3年前くらいからかなー、なんか風向き変わったの」と話しだします。
日南子「私、よく社長に改善提案とかメールで送っちゃうほうなんだけど、
まぁうちの社長って一代でこの会社つくった人だから頑固じゃん。
だから、返信とか来ることなかったんだけど、
ある日急に『お客様の声掲示板が必要だと思います』ってメール送ったら、
『そうだね、そうしよう、進めてください』って返事が来て!
それからかなー、なんかこの会社が変わったの……」
会議メンバーたちはお互いに頷きあいます。
仕事の帰り、日南子と一緒になった桃子は“悟志が年末で仕事が変わるらしい”という話をします。
日南子は初耳だったので驚き、ショックを受けます。
配送部では、休憩中に悟志が真人に24日が最後だと伝えます。
「次はどこに行くんですか?」と聞く真人に悟志は「いずれ分かるから、今は聞くな~」と濁します。
真人は寂しそうに、悟志との思い出を振り返ります。
真人が入社した当時、なかなか職場の輪に入ることのできないでいると、
悟志が声をかけて仲間に入れてくれました。
さらに、真人がフォークリフトに興味を持っていることに悟志は気づき、
真人に運転試験を受けるように勧めてあげました。
ある時、いつも真人のことを気にかけてくれる悟志に
「どうしてこんなに良くしてくれるんですか? 俺なんかのために。だって俺……」と尋ねます。
悟志は「君がどこにいたかは知ってるよ。でも、知ってるのは俺だけだから安心しろ。
俺は真人を一目見た時から信用できるって思ったんだ」と語ってくれたのでした。
一方、勤めていた旅行会社が倒産したみゆき(奈緒)は、
再就職先を探しますが、なかなか見つかりません。
疲れ果てた時にそばに来てくれるのは、和輝(高橋海人)です。
和輝に癒されながら、みゆきは元気をチャージするのでした。
桃子は、真人の母・貴子(和久井映見)に呼ばれて家にお邪魔します。
貴子はアルバム写真を見せながら、
「桃子さんには隠しておきたくないし、“聞いちゃ悪いかなって”気を遣わせたくもないから」と、
真人の父親のことを話してくれます。
真人の父親も貴子も共に教師をしていました。
しかし真人が服役することになり、学校に『犯罪者の親が教師なんて!』とクレームが入るようになってしまいました。
仕方なく教師を辞めることになり、そのせいで父親は自殺したのだと周りからは思われています。
でも本当はそうじゃない、と貴子は言います。
父親は『教師を辞めたことを真人が知ったら、真人が自分を責めてしまう』と心配していたのです。
それを気に病んで苦しんでいるうちに、ある日ふと、
その苦しみから逃げたくなってしまったんだと思うの、と貴子は桃子に話します。
貴子は「人間て、たまにふっとあっち側に行きたくなっちゃうことがあると思うの。
だからお父さんのことは責められない。ただ、ちょっと馬鹿だなって思う。
だって、あの頃そんなこと想像もできなかったけど、
今なら、こんなにかわいい真人の彼女さんと一緒にお茶できるんだから」と桃子に微笑みます。
そして、ついに安達家のクリスマスパーティーの日がやってきました。
桃子と真人は川沿いの道を並んで歩きながら一緒に家へ向かいます。
プレゼント交換用の品物の中身をお互いに探り合いながら和気あいあいとしていると、
道沿いの階段に腰かけていた若い男性の足に桃子が引っかかってしまいます。
すぐに「すみません」と謝りますが、男性2人組はしつこく絡んできます。
真人は過去の事件が頭をよぎり、平謝りしますが2人組は殴り掛かってきます。
それでも真人は一切手を出さずに、ひたすら桃子をかばいながら殴られてしまうのでした。
2人組が去ったあと、真人は桃子に「大丈夫?」と聞きます。
頷く桃子を見て「良かった」と真人は桃子をしばらく抱きしめるのでした。
その頃、ホームセンターでは退勤しようとしていた日南子が配送部に立ち寄り、
働く悟志のことを見つめています。
すると、悟志の方向にフォークリフトが走ってきますが、運転者も悟志も気づいていません。
危うく轢かれそうになり、日南子が叫ぼうとすると、
それより先にいつも近くで見守ってくれている警備員(西川瑞)が、
「○○○(無音)!」と悟志に向かって呼びかけます。
そのお陰で悟志は轢かれずに済んだのですが、日南子はそれを聞いて驚きます。
そしてそのまま日南子はその場を立ち去るのでした。
姉ちゃんの恋人【9話ネタバレ】
安達家に桃子(有村架純)と真人(林遣都)が到着すると、
弟たちとみゆき(奈緒)のおかげで準備はすっかり整っていました。
みんなで食卓を囲んでワイワイとクリスマスパーティーをスタートします!
安達家のクリスマスでは毎年恒例の儀式があり、自分が抱えている悩みを皆の前で発表するのです。
聞いている側はそれに対して意見やアドバイスを言うことはせず、ただ受け止めるというのがルールです。
長男・和輝(高橋海人)は就活の不安、次男・優輝(日向亘)は大学受験の悩みなどを話すなか、
三男・朝輝(南出凌駕)は「言いにくいことだけど」と前置きをしつつ、
「姉ちゃんにも兄ちゃんにも恋人ができたことはすごく嬉しいけど、ちょっとだけ寂しい」と告白しました。
それを聞いて桃子、和輝、みゆき、真人は笑顔で朝輝の頭をワシャワシャと交互になでるのでした。
一方、日南子(小池栄子)はいつものバーで物思いに耽っていました。
先日の仕事の帰り際、配送部を覗きに行った際に、
悟志(藤木直人)が警備員(西川瑞)から「社長!」と呼ばれているのを聞いてしまったのです。
日南子は“いつも社長宛にメールで意見を送ってくる社員はどんなやつか探りに来てただけなのかも”と落ち込みます。
翌日、ホームセンターの従業員の間に“24日から社長が息子に変わる”という情報が出回り始めました。
そして、24日の夜は新社長の就任を祝して倉庫内でパーティーが開催されることになりました。
そのパーティーには“従業員の家族と家族みたいな人”も参加できるということで、
何も知らない桃子をはじめとした従業員たちは「新社長って面白い人ですね~」と無邪気に話しています。
その様子を日南子は寂しそうに眺めているのでした。
23日の夜、和輝とみゆきはあらためて2人でクリスマスを楽しみます。
プレゼントを渡し合うと、なんと中身は2人とも全く同じオレンジのマフラー!
マフラーをお互いに巻きあいながらマフラーごしにキスを交わし、幸せな時間を過ごすのでした。
24日、ホームセンターのオフィスでは新社長就任のメッセージが画面越しに配信されました。
そこに映ったのは、スーツ姿の悟志。
日南子を除く従業員たちはみんな驚き、桃子は思わず夜勤明けにまだ寝ている真人にも連絡をします。
日南子は肩を落としてその場を離れて売り場へ行き、開店準備を黙々と進めます。
するとそこへ、薔薇の花束を持った悟志が「日南子ちゃん!」と現れます。
「俺は君をずっと好きでいる自信がある。だから、君も俺をずっと好きでいてほしい。
結婚してください!」
日南子は驚きながら「あの、一つだけ…」と言います。
「仕事は続けてもいいですか? 私、この仕事大好きなんで!」
悟志は爽やかにニコッと笑って「もちろん!」と答えます。
日南子も笑顔で花束を受け取り、その場にいた桃子たち従業員みんなから祝福されました。
その閉店後の夜、新社長就任パーティーが倉庫内で開催されました。
みんな笑顔で悟志を迎え入れると、その後ろから警備員(西川瑞)もスーツ姿で現れます。
警備員さんは、実は悟志の秘書だったのです。
真人は母・貴子(和久井映見)だけでなく藤吉さん(やついいちろう)も招待し、
桃子は弟3人に加えてみゆきも呼びました。
少し遅れてきたみゆきは「イブに神様いたよ!」と言って桃子に抱き着きます。
みゆきの再就職先が決まったのです! その場にいる皆で喜びを分かち合います。
パーティーがそれぞれ盛り上がったところで、真人は桃子を閉店後の店内へ連れ出します。
そして一番大きなクリスマスツリーの前で「明日このツリーを片付けちゃう前に……」と、
真人は桃子にキスをするのでした。
翌日25日の終業後、ホームセンターでは忙しくお正月仕様にレイアウト変更が夜通し行います。
大きなクリスマスツリーがあった場所には、今度は世界各国の言葉で新年を祝ったデザインの大きな地球儀を飾りつけます。
これは、真人が出したレイアウト案でした。
設置完了した飾りをみんな嬉しそうに見上げます。
それから少し経って、桃子と真人の交際は順調に進んでいます。
ある日、海に出かけた2人は並んで砂浜に腰かけます。
そして唐突に、「あのさ、桃子!」と真人が話し始めます。
「桃子みたいな人はさ、フワフワとかふにゃふにゃした男と結婚するといいかもね。
例えば俺みたいな……」
桃子は嬉しそうに真人の顔をのぞきこみます。
「え! それ言おうって決めてたの? いつからー?」
「いや、やっぱ恥ずかしい…。忘れて…」
「やだ! 一生忘れない!」
桃子は真人にぎゅっと抱きつくのでした。
(終わり)