TBSドラマ日曜劇場「半沢直樹2」の放送が7月19日からスタートします。
7年前の2013年に視聴率40%超えを達成した超人気ドラマだけに、延期になっていた放送開始を楽しみに待っていた方も多いことでしょう。
ところでドラマ「半沢直樹2」は、前半が池井戸潤氏の小説「ロスジェネの逆襲」、後半が「銀翼のイカロス」を原作として制作されます。
そこで、放送開始前にまずドラマ「半沢直樹2」前半の原作小説「ロスジェネの逆襲」のあらすじをご紹介し、池井戸潤氏がこの小説に込めた思いやドラマの見どころを考察します。
大ヒットドラマの続編「半沢直樹2」は2020年4月19日から放送開始予定でしたが コロナウイルスの影響により延期され、ファンをやきもきさせましたが 2020年7月19日より無事放送開始となりました! 半[…]
「ロスジェネ」とは?
この原作小説の題名「ロスジェネの逆襲」に用いられている「ロスジェネ」とは、ロストジェネレーションのことです。
この言葉の発祥は、アメリカで1920年代初頭に第一次世界大戦後に蔓延した若者を中心に起こった価値観の崩壊だと言われています。
日本ではバブル崩壊後の1990年代から2000年代半ばまでの就職氷河期世代の人のことを“失われた世代“の意味で「ロスジェネ世代」と呼んでいます。
この小説に登場する「ロスジェネ世代」の人物たちが、ストーリーの重要な鍵を握っているのです。
ドラマ「半沢直樹2」前半の原作小説「ロスジェネの逆襲」あらすじ・結末
堺雅人主演の前作ドラマ「半沢直樹」では、最終盤に大和田常務(香川照之)の悪事を暴露し、取締役会の席上で大和田を完ぷ無きまでに打ちのめした半沢直樹(堺雅人)でした。
しかし、その半沢に対し冷酷にも東京中央銀行は子会社への出向という予想外の人事異動を発令していたのです。
東京セントラル証券に持ち込まれた電脳雑技集団による東京スパイラル買収計画
半沢の出向先東京セントラル証券は業績が上がらないグループ内のお荷物子会社。
その営業企画部長に着任した半沢は、社内に親会社の東京中央銀行からの出向組に対する証券採用組の根強い反感があることを感じています。
信頼のおけそうな部下で証券採用組の森山でさえ「出向組みの社員は銀行への復帰のみを考えて仕事をしている」と言うのです。
それを聞いた半沢は、東京セントラル証券の業績が不審で社員同士に一体感が生まれないのはこのことに一番の原因があると考え始めます。
そこに、老舗IT企業「電脳雑技集団」の社長・平山一正から躍進著しいライバルIT企業の「東京スパイラル」を買収したいという話が持ち込まれたのです。
「電脳雑技集団」は森山が営業を担当する顧客ですが、これといった顕著な営業実績は獲得したことが無かった取引先でした。
その「電脳雑技集団」の社長が突然来訪し、「東京スパイラル」を買収に関し東京セントラル証券に「アドバイザーになって欲しい」と提案してきたのです。
さっそく、半沢は買収プロジェクトチームを発足させます。
しかし、営業担当の森山は諸田次長との確執からチームメンバーから外されてしまい提案書をまとめる実務リーダーは三木重行が担当することに決まります。
諸田と三木は銀行からの出向組。
実はここでも森山を初めとする証券採用組は悔し涙を飲まされていたのです。
ところが三木には企業買収を企画するほど実力などありませんでした。
しかも証券採用組からの反目もあり作業は遅々として進みません。
プロジェクトチームがようやく買収案をまとめた提案書を作り上げたのは平山社長とアドバイザー契約を交わしてから2週間後。
遅すぎたのです。
しかも、三木は「電脳雑技集団」側にそれまで何の連絡も入れていませんでした。
半沢部長、諸田次長、三木の3人が同道し提案書を提示した時には既に平山社長は待ちきれず翻意し、東京中央銀行証券部と新たなアドバイザー契約を結んでしまっていたのです。
東京中央銀行営業部による計画略奪
平山社長から突然のアドバイザー契約解除を申し渡された半沢直樹たちと入れ違いに「電脳雑技集団」社屋に入っていったのは、東京中央銀行営業部長・伊佐山泰二と次長・野崎三雄でした。
「何故だ?」半沢が銀行のこの素早い動きに疑問をもったのは言うまでもありません。
事態が明らかになるのには、さほど時間を要しませんでした。
東京中央銀行が「電脳雑技集団」とアドバイザー契約を結び、東京スパイラル株の公開買い付けを平山社長は宣言したのです。
そして、この時すでに東京スパイラル株の約35%を「電脳雑技集団」は取得済みだったのです。
実は、東京スパイラル社長・瀬名洋介の創業時からのパートナーであった加納と清田の2人の役員が持ち株を電脳雑技集団に売り渡していたからです。
この間に、諸田と三木は東京中央銀行営業部に復帰しました。
後でわかることですが、諸田と三木は東京セントラル証券を裏切り、持ち込まれた東京スパイラル買収案件を東京中央銀行に漏らし、その情報を手土産に銀行への復帰を果たしていたのです。
三木が買収企画書の作成を遅らせ依頼主に何の連絡もしなかったのは諸田からの指示によるものだったのです。
半沢による東京スパイラル買収阻止提案
半沢がそのことを知ったのは銀行での同期・渡真利忍からの情報を得てからのことでした。
すべてが仕組まれた東京中央銀行の三笠副頭取と伊佐山証券営業部長による半沢への追い落としと解釈し、半沢は「倍返し」を企てます。
そして何と、買収するはずだった東京スパイラルに赴き、瀬名社長に電脳雑技集団による東京スパイラル買収を阻止するアドバイザーになることを提案したのです。
実は、半沢の信頼する部下の森山は、瀬名社長とは中学生時代の友人で、音信不通だったのですが、そのことを打ち明けた半沢の指示により水面下で連絡を取っていたのです。
ホワイトナイト・フォックス郷田の登場
ちょうどその頃、苦境に立たされた東京スパイラル瀬名社長のもとには取引証券会社の太洋証券の仲介で、家電大手の「フォックス」が大量の第三者割当増資に応じるとの話が入っていたのです。
つまり、買収を阻止するためのホワイトナイトになると名乗りを上げたというのです。
大幅な増資を行えば、電脳雑技集団の持ち株比率が下がり、買収は困難になる。
太洋証券の買収対抗策は明快なものでした。
しかし、これが実行されるためには「フォックス」に莫大な資金が必要になります。
太洋証券の瀬名に対する説明では既に調達の目処は立っているといいます。
ここに半沢は疑問を持ちました。
半沢は元銀行営業2部次長の情報網を駆使して「フォックス」を調べ上げてみると、
- 最近「フォックス」の業績が急降下していて業務を縮小の最中であること。
- 資金調達元として名前の上がった白水銀行にその動きが無いこと。
そして、
・ 買収を仕掛けてきている電脳雑技集団側のアドバイザーである東京中央銀行内部に多額の資金稟議が上がっていること。
が半沢の耳に入ってきたのです。
これは「フォックス」のホワイトナイトと見せかけた騙まし討ちに違いないと半沢は判断しました。
対抗処置として、時期を見て「フォックス」を逆買収するという奇策を瀬名社長に提案します。
東京スパイラルによるフォックス買収
半沢は銀行内部から入手した情報を基に、まずは太洋証券の担当者・広瀬を落して東京中央銀行のスキームを白状させます。
次に、「フォックス」の社長・郷田に直接会って、東京スパイラルによるフォックス買収を持ちかけますが、郷田は電脳雑技集団との約束を信じてそれに応じません。
しかし、電脳雑技集団社長・平田にとって、「フォックス」によるホワイトナイト計画が罠だと東京スパイラル側にバレてしまった現時点では、郷田との約束など意味がありません。
平田は手のひらを返したように郷田に冷たく対応したのです。
その結果、半沢の目論見どおり、「フォックス」は東京スパイラルによって逆買収されたのでした。
東京スパイラル株の急騰
東京中央銀行証券営業部の伊佐山は、東京スパイラルが業績の急降下している「フォックス」を買収すれば、将来的にシナジー効果を期待できるとしても、当面は東京スパイラルの株価は下がると予測していました。
東京スパイラルの株式公開買い付けを仕掛けている電脳雑技集団からすれば、もしろ有利な展開だと考えて安心していたのです。
しかしその伊佐山は、数日後「週刊プラチナ」の報道に驚きと焦燥を顕わにすることになります。
「フォックス」の子会社でアメリカでの経営戦略の核と位置づけていた現地法人「コペルニクス」にあのマイクロデバイス社が3億ドルもの大型出資をしたというものでした。
銀行の証券営業部の「フォックス」の分析で見落としていた子会社です。
すべて、半沢の企業の将来性を見抜く分析力と知恵の賜(たまもの)だったのです。
この報道が発端となって東京スパイラル株は1万円近く上昇し、2万円を既に超えていました。
電脳雑技集団による東京スパイラル買収計画の真意
この予期しなかった事態に東京中央銀行証券営業部長・伊佐山は、三笠副社長に500億円の追加融資を提案します。
「企業価値が上がったのだから東京スパイラル株の公開買い付け価格を相場価格まで上げてもメリットはある」と言うのが理屈です。
そして、臨時取締役会が急遽開催されたのでした。
三笠副社長よる「電脳雑技集団への追加融資の提案説明」の後に、質問に立った内藤取締役が反対意見を述べ、その補足説明に会議室に入ってきた1人の人物がいたのです。
東京セントラル証券営業企画部長の半沢直樹でした。
三笠の「取締役会の議事を外部に漏らすことになる。しかも敵方に」と反対する意見のある中、中野渡頭取は半沢に発言する許可を与えます。
「確かに弊社は電脳雑技集団の東京スパイラル買収を阻止する立場にあります。 しかし、同時にそのことは東京中央銀行の利益にもつながるのです」
平然と半沢は説明を始めます。
役員の口からは一様に「どういうことなのか?」の声があがります。
半沢は説明を続けます。
「電脳雑技集団に対する与信稟議には重大な見落としがあります。
2年前に電脳雑技集団が設立した子会社電脳電設が買収した再建中のゼネラル産業の子会社ゼネラル電設という会社。
評価額を180億円も上回る価格での買収をしています。
そして、それまで無かったゼネラル産業との取引が、一挙に150億円もの売上げが決算書には計上されていました。
調べてみますと、伝票上だけの中味の無い売上げでした。
つまり、買収金として渡された金の一部150億円が架空の売り上げとして計上され還流されていたのです。
明らかな粉飾決算です。
電脳雑技集団の東京スパイラル買収は、自社の勢いが現在でも続いているように見せかける手段として、そして粉飾決算が見抜かれぬようにするための企みでもあったのです。
その電脳雑技集団の企てによって東京中央銀行は東京スパイラル買収のために既に1500億円の融資を行い、更に追加で500億あわせて2000億円の与信をしようとしているのです。
これを阻止することは東京中央銀行の利益になりませんか?」
併せて半沢は、以上の事実について電脳雑技集団の元財務担当役員・玉置克夫の証言の裏付けがあることをこの場で中野渡頭取に報告しています。
三笠・伊佐山の失脚
この臨時取締役会の後、電脳雑技集団への追加融資は中止となったのは言うまでもありません。
問題は、すでに融資が実行された1500億円の回収。
内情が暴露され、窮状が明らかになった会社である電脳雑技集団に東京中央銀行は、債権が毀損されるのを監視するためにまずは行員を出向させる必要があったのです。
中野渡頭取は三笠副頭取に意見を求めます。
「誰に行かせる?」
三笠副頭取は即座に答えました。
「半沢が適任でしょう。 電脳のことを最も熟知しているのは彼です。 他に適任者はいません」
中野渡頭取は、それには耳を貸さず、
「半沢は銀行を大損失から救ってくれた功績がある。 行ってもらうのは伊佐山部長にしたい」
ズバリ、結論を言い渡したのです。
反論しかけた三笠副頭取に中野渡頭取は、更にタタミ掛けるように言い渡します。
「粉飾の責任を取って平山社長は退任することになるだろう。 そうしたら三笠君、君が電脳の社長に就任したまえ いいね」
作者池井戸潤氏の小説に込めた思いとは?
原作小説の登場人物では、東京中央銀行採用組の半沢直樹や渡真利忍が「バブル世代」ならば、東京セントラル証券採用組の森山雅弘や東京スパイラル社長の瀬名洋介が「ロスジェネ世代」です。
小説の最後に、買収劇と云う難局を乗り切った瀬名社長が、助けてくれた幼馴染の森山に「役員としてウチに来て欲しい」と誘う場面があります。
そして東京セントラル証券内部には、半沢の証券への出向解除と電脳雑技集団への再出向という間違った噂が流れ始めます。
半沢は異動が近いと悟って、森山を居酒屋に誘い話しをするシーンがあります。
ここで、作者の池井戸潤氏は小説に込めた思いを半沢のことばを通じて伝えるのです。
「結局、就職氷河期を招いた馬鹿げたバブルは自分達のためだけに仕事をした俺たちバブル世代の連中が作り上げたんだよ」
「その俺が言えることは、仕事は客のためにするもんだということだ。戦え森山」
ドラマ「半沢直樹」前半ではこのシーンが一番の見どころとなるでしょう。
小説では、森山は半沢の言葉に感動し、東京セントラル証券で頑張ってみよう!と決意します。
そして翌日、森山は瀬名社長に役員への誘いを断る回答をしてしまいます。
一方、半沢直樹にはその2日後、「東京中央銀行本社 営業二部次長を命ず」との辞令が中野渡社長から発令されます。
何か割り切れない運命を感じます。
この結末が、ドラマの脚本ではどうなっているのでしょうか?
せめて、ロスジェネ世代の森山に期待できる未来を付け加えてやって欲しい。
そんなドラマになることを期待します。
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まとめ
実はこの原作小説は半沢直樹の「倍返し」のストーリーではなく、時代背景によって人生の歯車を狂わされた「ロスジェネ世代の逆襲の顛末」の物語だったのです。
それでタイトルを「ロスジェネの逆襲」としたのですね。
作者の池井戸潤氏自身は、1963年生まれの半沢直樹とまさに同じバブル世代。
リーマンショック後の2012年に発刊された小説「ロスジェネの逆襲」、その後に平成バブルはやってきます。
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